6: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:09:18.01 ID:SEr4tbLco
勇者「…………ぅ、うぅ」
え? なんだこの声……ていうか……。
7: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:09:44.98 ID:SEr4tbLco
あの後、俺はあの女性にご飯を頂いた。勿論、犬用でした。
女の子は俺の事を撫でまわしてくるし、俺もそれなりに気持よくなってしまった。
犬勇者(問題はこの状況からどうやって脱出するか、である)
8: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:10:11.66 ID:SEr4tbLco
犬勇者(……状況は絶望的だぜ。とんでもない事してくれるなあ、魔王め……)
自決する事も考えたが、この身体になってしまってなお強制帰還の魔法が働いているのかわからなかった。
いや、恐らくは魔王が俺を”生かしている”時点で発動するとは思うが、発動しなかった場合の事を考えるとゾッとする。
9: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:10:38.75 ID:SEr4tbLco
「はーい、わんちゃんお風呂入ろうねー」
目が覚めた少女により、俺は今……大変な出来事に遭遇していた。
風呂である。どうやら彼女は、俺を風呂に入れたい様だ。
10: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:11:04.67 ID:SEr4tbLco
犬勇者「…………わふぅ」
風呂でエキサイトしすぎた俺は、彼女の寝室でぐったりしていた。
我を忘れて風呂を堪能しすぎたのである。湯船で彼女と遊びすぎた。何をしてるんだろう……。
11: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:11:30.87 ID:SEr4tbLco
けれども、魔王を倒す事を諦める訳にはいかないのは事実だった。
自分に課された使命……ただそれだけが、犬になってしまった今でも俺を諦めさせてくれない。
犬勇者(よし、この家をでよう……ごめんな、お嬢ちゃん。俺が無事、元の身体に戻れたら犬の一匹くらい、プレゼントしてやるさ)
12: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:12:00.37 ID:SEr4tbLco
――港町
犬勇者(あー、なるほどなるほど。この町なのね……)
13: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:12:26.75 ID:SEr4tbLco
犬勇者「わんわん! わんわんわん!」(おい、俺をちょっと助けてくれないか!?)
犬「………ぐるる」
14: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:12:53.63 ID:SEr4tbLco
――港町・郊外
再度、アテもなく町を歩く。てとてと。いつしか歩きすぎて、町の外に出たけどまあ気にしない。
犬になったけど、犬同士で言語を理解し合えるわけではないらしい。
15: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:13:19.61 ID:SEr4tbLco
犬勇者「わ、わおーん!?」(なんでこんな町の近くに、魔物が……っ!?)
コボルトA「がうがう、がうがうがう!」
コボルトB「がう?」
16: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:13:45.68 ID:SEr4tbLco
犬勇者「うがぁるぁああああ!」(死ねや、くそったれ二足歩行!!)
突如として吠え、走りだして襲い掛かってくる犬にコボルト達は吃驚したのだろう。
身体を震わせて、信じられない馬鹿を見るような目で一瞬立ちすくむ。
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