2: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:04:06.23 ID:SYGMyPD1o
光るものが二つ。目のようだ。ぴくぴくと動く、おそらく耳。
なんだろう見たことがある。
あれはたしか……
3: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:04:44.17 ID:SYGMyPD1o
そしてその恐ろしさも知らないのに知っていた。
その姿を見ただけで、体に寒気が走ったのだ。
「モモちゃんが細くなってる」
4: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:05:11.82 ID:SYGMyPD1o
その出会ってはいけない猫に見つめられて。
モモは気づかなかったふりをすることにした。
羽の中に顔をうずめて知らんぷりを決め込んだ。
5: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:05:46.57 ID:SYGMyPD1o
両翼の先から尾羽の先まで。くまなく二周を終えても猫は帰っていなかった。
再び顔を上げてモモは困り果てて首を傾げた。
試しに少し歩いて相手を見やる。
6: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:06:27.07 ID:SYGMyPD1o
っしゃあん、と大きな音がした。
モモは大きく飛びあがった。
大慌てでかごに駆け寄って飛び込んで。
ぶるぶる震えて細くなった。
7: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:06:55.28 ID:SYGMyPD1o
けれど猫は次の日もやってきた。
「帰って!」
8: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:07:58.87 ID:SYGMyPD1o
と、その時、不意に猫が口を開いた。
「わたし、謝ろうと思って来たの」
「え?」
9: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:08:30.09 ID:SYGMyPD1o
なあんだ! モモはすっかり安心した。それなら怖がることなかったね!
「わたしと友達になってくれる?」
「いいよ!」
10: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:09:06.15 ID:SYGMyPD1o
そして再びの網戸を叩く音。
っしゃあん、がしゃん、がっしゃあん。
モモはもちろんかごに逃げ帰って、もう猫なんて絶対に信じるものかと決めた。
11: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:09:35.85 ID:SYGMyPD1o
次の日も猫は来た。
けれどモモはかごの奥でそっぽを向いてやっていたので猫は手を出せなかった。
次の日も猫は来た。
12: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/08/13(木) 22:10:04.25 ID:SYGMyPD1o
猫が来る頻度が多くなって、飼い主が彼女をかわいがる風景も多くなった。
「あんたがうちに来てくれたらいいのねー……だって」
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