6:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:32:24.19 ID:Csg2FCKN0
やがて完全に心が折れてしまった俺は就職活動を停止し、就職を諦め、大学を卒業しニートになったわけである。
そうこうして早数年…… 新卒という唯一の強みもあっという間に消え去った。
このままではいけないと思い、アルバイトをした時期もあったが―― どれも上手くいかなかった。
アルバイトでさえ「なんとなく」だった。
興味もないことが長続きするはずもなく、面白みや充実感さえも得られずに適当な理由をつけて辞めて…… また違うバイトをしては辞めて。
そうする内にもうどうでも良くなって、またニートに戻り…… それからはずっとこんな状態で今に至る。
就職活動を再開する意志もなく、アルバイトもせず、生きる目的もなかった。
両親からは「一度実家に戻って来い」と言われたが、「やりたいことがある」だのと適当な嘘をぺちゃくちゃ並べては仕送りしてもらい、それで暮らしている。
相変わらずやりたいことはない―― ただ毎日を死んだように過ごしている。
都内の安アパートで窮屈に…… ダラダラと何の生産性もなく。
ただ、こんな状況に陥って身に付いたものもある。
それは皮肉のスキルと、世界を呪うこと。
どうしようもない俺は、きっと自分には可能性があるものだと未だどこかで信じていて、そんな自分が社会に参加できないのは、きっとそうしてしまう社会のせいだと思うようになっていた。我ながらなんと情けないことだろうか。
それで世界を呪うようになっていた。
別の次元へ逃避し、その場所で同じような仲間を探して傷を舐め合い、他者の些細な綻びを見つけて揚げ足を取ることもあれば、挑戦して躓いた者へ皮肉のエールを送っていた。
自分にそんな権利がないことは承知で―― 他者を嘲笑うことで傷を癒す。
最早底辺を通り越して外道、畜生の域だ。
挑戦も、努力も、何も行動していない自分が、そうしようと頑張っている者たちの失敗を嘲笑っているのだ…… まだ土俵にも立てていない、スタートラインにも立てていない自分が。
やがて俺は、俺の人生であるはずなのに、その土俵に立つことすら放棄して「自分の人生の観客」となっていた。
敗者は敗者に徹するべき―― 自分自身にも皮肉を浴びせて開き直る。
もうこうなってしまえば末期だ。
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