過去ログ - 俺ニート、悪魔の手下になる。
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:36:11.90 ID:Csg2FCKN0


 職業に貴賎なし―― そんな言葉がある。
 確かにその通りかもしれない。
 どんな職業であっても誰かしらそれを必要としていて、それを担ってくれる人がいるからこそ社会は成り立つ。世界は回る。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:40:15.93 ID:Csg2FCKN0


 現在の俺がこんな有様になっているなんて、まさかあの頃の俺は考えもしなかっただろう…… 例えば学生時代、駅前で酔いつぶれ倒れるおっさんを尻目に「あんな大人にはなりたくない」と思っていたし、同じクラスのやんちゃな集団を見て「何が楽しいのか、こんな馬鹿みたいな人間にならないようにしないと」と己に言い聞かせ、ワイドショーでひきこもり特集なんてものを取り上げていた暁には「クズ人間じゃん」などと嘲笑していた。

 しかし現在―― 俺はその「なりたくない人間」、「なりたくない大人」になってしまったわけだ。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:43:01.70 ID:Csg2FCKN0


 どうしてこうなった。

 もう何百何千回目の一人反省会(決して反省が生かされることもない)をいつものように開いて、気付くと缶ビールはすっからかん。ツマミもなくなっていた。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:45:33.27 ID:Csg2FCKN0


 他人を嘲笑えば嘲笑うほど、他人と自分を比べれば比べるほど…… 惨めになって泣けてくる。

 そんなことしたって何も生まれない。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:49:30.22 ID:Csg2FCKN0

 夜を越えても、世界は変わらない。
 時間は俺を置き去りにして流れる。
 八月は後半―― 今日も朝から酷い暑さだ。
 いわゆるお盆休みのシーズンを過ぎて、またいつものような日常が戻ってくる。
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:52:54.22 ID:Csg2FCKN0


 今日も今日とて、やることがない。
 働け――? それはもう何回も聞いたさ。
 やりたいことがないのだからしょうがないであろう。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:55:37.69 ID:Csg2FCKN0

 電車に揺られ、乗り換えて。
 そしてまた電車に揺られること数分。
 欲望が溢れる街、東京…… なんとなく言ってみたかっただけである。
 山手線に乗り換えて新宿で下車、東口を出て某書店へ。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:59:29.10 ID:Csg2FCKN0


 ダークサイドがやって来るがなんとか払拭する。
 今日の俺は一段とどうにかしている…… 今日に限って。
 理由は分かっていた―― 焦りからくる不安、絶望だ。
以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:02:22.40 ID:Csg2FCKN0


 もうどうしようもない不安が蔓延して。
 それをなんとか振り切ろうと、気分を変えようと店を出た。
 人、人、人。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:08:02.09 ID:Csg2FCKN0


 ひっそりとした店であったので、店内もそのような様子だと想像していたが…… 予想に反してなかなかの広さだった。
 木目調のテーブルやカウンター、壁に飾られた絵画、隅に置かれた観葉植物。
 落ち着いていて、どこか気品も感じられるような…… そんなシックでおしゃれな店内。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:11:42.09 ID:Csg2FCKN0


 間を埋めるためポケットからタバコを取り出し、オイルライターで火をつける。
 灰皿が置いてあるので喫煙可能ということだろう。
 一服している内に店員がやって来て先にアイスコーヒーを置いていった。
以下略



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