1:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:42:13.96 ID:c9hFcx2r0
最終兵器彼女読みながらデレステのガチャ引いたら小梅が出たんで記念に
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2:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:44:35.19 ID:c9hFcx2r0
「こういう時は大人がしっかりしないといけないのに。ごめんね小梅」
「だっ、大丈夫……です」
小梅の不安そうな顔を見ると自分がこのまま不安に飲み込まれると小梅もただでさえ不安なのにこの不安を大きくしてしまう、そう思うと少しは落ち着く事が出来た。そして自分が大丈夫だと精一杯の笑顔を作ると怯えて体が震えている小梅の頭を撫でてあげた。
3:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:45:22.67 ID:c9hFcx2r0
少しは落ち着いたもののやっぱり自分の心はざわついていた。研究員が乱していた姿を見る限りもう『終わり』が始まっているのかもしれない。後一時間、そんなものは科学者達の推測でしかない、本当の時間を知っているのは神様ぐらいか。
「ぷっ、プロデューサー……顔色悪い」
「いや、大丈夫。少し疲れてるのかも。小梅は大丈夫?」
4:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:48:10.47 ID:c9hFcx2r0
小梅は一言だけ呟くと、小さな声で歌い始めた。呼吸がうまくできないで息苦しく顔色が悪い自分を安心させようとしているのか、小梅自信が自分は大丈夫だと伝えたいのか。小梅の顔を見る限り彼女も顔色が悪くなっているというのに、息苦しくなっているだろうに歌ってくれた。小さな声でも分かる彼女の繊細で綺麗な歌声はちゃんと自分の耳に届いてくれた。
小梅の歌を聴いていると、だんだん視界が薄く小梅の姿が見えなくなってくる。視界だけではなく頭の中も真っ白で何も考える事が出来ない、小梅の歌声と一緒に自分という存在が消えてしまう。
「あの子が消えた」
5:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:49:06.79 ID:c9hFcx2r0
「……サー……」
「…………」
「プロ……サー……」
6:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:49:40.96 ID:c9hFcx2r0
「やっ、やっと……起きました……」
「寝てる場合じゃなかったよね。ごめん」
どうして眠ってしまったのかまるで覚えていない。覚えているのは小梅の歌声だけ。それから後の事は何も覚えていない。思い出そうとしても変な頭痛が邪魔をしてくるせいで諦める事にした。
7:名無しNIPPER
2015/10/21(水) 20:50:45.21 ID:c9hFcx2r0
時間が経つまで開かない扉。開いているという事は意識が無く眠ってしまったその間に終わってしまったという事。この扉の先は自分の知らない終わった後の虚無の空間。何も知らない恐怖でしかない先を考えるだけで息が荒々しく心臓の鼓動も激しくなっていく。
でもそんな事を思っている場合でもない。小梅に心配をさせてはいけない。小梅だってこの扉の先が不安と恐怖でしかないと思っているだろう。深呼吸をするとほんの少しだけ落ち着けた。
「先に出てみる。小梅は待ってて」
8:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 20:54:05.79 ID:c9hFcx2r0
ごめんなさい、途中から投稿してしまいました
スレ立て直します
9:名無しNIPPER[sage]
2015/10/21(水) 21:11:40.23 ID:5buPugfoo
ふざけんなよ失敗したくらいで無駄に乱立させんなボケカス
このスレでかけ
10:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:14:08.42 ID:c9hFcx2r0
>>9 そうですね!ごめんなさい!
11:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:14:47.43 ID:c9hFcx2r0
最初から書きます
12:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:17:56.78 ID:c9hFcx2r0
「後一時間もすれば最後。小梅は大丈夫か」
「だっ、大丈夫……です……」
本日をもって争いばかりのこの世界は終わりを告げる。世界が終わる事を知った人類は自分だけが自分達だけが生き残りたいと争いを続けた。そして国と国とが生きる希望を信じて戦いこの世界を傷付けた。
13:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:18:35.55 ID:c9hFcx2r0
そんな争いだけの世界に平和を望み歌い続けたアイドル白坂 小梅とそのプロデューサーである自分の二人だけを残して人類は全滅する。 小梅も自分も平和を望み世界に歌を届けたけどその歌声は届かなかった。
日本の科学者が秘密に開発していた特殊なシェルター、人がたった二人だけ入れる程の小さなシェルター、この中で過ごせば生き残れるらしいけど結局はその時にならないと分からない。科学者から平和を望み続けた小梅と自分に生き残れたら次の世界を見届けて欲しいと頼まれてシェルターに入る事にした。
「小梅は意味があったと思うか、この人類に」
14:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:19:39.48 ID:c9hFcx2r0
白坂 小梅、彼女と一番最初に出会ったのはアイドルオーディションの開場だった。おとなしく人と話をするのが苦手、話を聞いてもアイドルになる気はないと言っていた小梅だが、いざ好きなものの話をさせてみると、パッと笑顔でホラー映画の話をしてくれた。
その時の自分は彼女の笑顔を見てトップアイドルとして花開く姿ばかりが頭の中を膨らませていた。小梅を合格させてレッスンの日々、苦手分野が多い彼女で最初は上手くいかずにマイナスな発言ばかりもしていた。唯一歌ならとボーカルレッスンをさせてみるとその透き通る歌声がまたその時の自分の心に響かせてくれたっけ。
一歩ずつ一歩ずつ、小さな仕事を受けては反省と成長。日に日に彼女の歌声は日本を包み、大きな存在になっていった。いつの間にか大人気アイドル、自分の頭の中で想像していた小梅の姿が目の前にはいてくれた。自分が何かしたと言うより小梅が成長して変わってくれた。
15:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:20:39.90 ID:c9hFcx2r0
「世界に向けて歌うようになって、本当に頑張ったよ小梅」
「へっ、平和には……ならなかった……です」
「小梅は悪くない。小梅は必死に頑張った」
16:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:21:12.87 ID:c9hFcx2r0
「ぷっ、プロデューサーさん……!」
「この人達を見捨てる事しか出来ない。このシェルターの中にいる限り助ける事は……」
窓から見えた研究員も落ちてくる破片に押し潰されて視界からは消えてしまった。研究員の返り血が窓を真っ赤に染め上げていくと自分は耐えきれずに吐瀉。人が目の前で消えていく光景、自分が生き残るために他を犠牲にする罪悪感と自分が生き残る意味はあるのか、これからどうなるのかという不安と疑問で頭の中が割れてしまいそうだ。
17:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:21:43.53 ID:c9hFcx2r0
「こういう時は大人がしっかりしないといけないのに。ごめんね小梅」
「だっ、大丈夫……です」
小梅の不安そうな顔を見ると自分がこのまま不安に飲み込まれると小梅もただでさえ不安なのにこの不安を大きくしてしまう、そう思うと少しは落ち着く事が出来た。そして自分が大丈夫だと精一杯の笑顔を作ると怯えて体が震えている小梅の頭を撫でてあげた。
18:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:22:12.83 ID:c9hFcx2r0
「ぷっ、プロデューサー……顔色悪い」
「いや、大丈夫。少し疲れてるのかも。小梅は大丈夫?」
「大丈夫……です」
19:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:23:01.77 ID:c9hFcx2r0
「……サー……」
「…………」
「プロ……サー……」
20:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:23:58.72 ID:c9hFcx2r0
「やっ、やっと……起きました……」
「寝てる場合じゃなかったよね。ごめん」
どうして眠ってしまったのかまるで覚えていない。覚えているのは小梅の歌声だけ。それから後の事は何も覚えていない。思い出そうとしても変な頭痛が邪魔をしてくるせいで諦める事にした。
21:名無しNIPPER[saga]
2015/10/21(水) 21:24:45.44 ID:c9hFcx2r0
「先に出てみる。小梅は待ってて」
「でも……」
「すぐに戻ってくるから」
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