過去ログ - 「今どき魔王退治もないもんだ」【安価あり】
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 08:00:06.25 ID:qOxPA+d10
――卯の月、広場の外れ――

外套=侍従E「始まるようです。王が姿を見せました」


【かつて世界は滅亡の危機に瀕していた。闇の住人である魔王の軍勢が光ある我らが大地に侵略を開始したのだ】

【残忍な魔族の通った後には、破壊と暴虐に焼き尽くされた村々の残骸だけが残った。勇敢にも立ち向かった男たちは虚しく野辺に骸を晒し、女子供は連れ去られて、帰るものは誰もいなかった……】


侍従E「私たちへの所業も忘れたような顔で、ぬけぬけと……!」

外套=侍従D「不愉快。――まだ間に合う。わたしなら、仕留められる」

外套=侍従F「いやいや、ドラちゃんは大事なトコでトチるでしょー? あたしに任せなさいって、誰にも気付かせずに終わらせるから」

侍従D「心外。こういうのは、得意」

外套=侍従H「あ、もう、火! 気をつけてよね、また羽根が焦げちゃうじゃない! だいたいあなたたちじゃ遅いわ、私なら一瞬よ」

侍従E「声が大きいですよ。旦那様、どうなさいますか」

「だめだな」

侍従達「……!」

「今あれを殺れば、それこそ魔王の仕業になって収拾がつけられん」


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2:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 08:00:31.44 ID:qOxPA+d10
【……だが、神は我々を見捨ててはいなかった。絶望の只中にあってまさに息絶えなんとする我々に、救いの手を差し伸べてくださった。魔王を打ち倒すべく祝福を授けた、奇跡の申し子を地上に遣わされたのだ!】


侍従D「勇者伝説……」

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 08:01:04.85 ID:qOxPA+d10
侍従D「……あ。一人、いる」

侍従H「けれども、そこの狐にも勘付かせない情報封鎖となると、かなり大掛かりよ? 教団はこの国の三竦みの一柱で、口出しできる勢力なんて、それこそ――って、え?」

侍従F「あーあー、なるほどね。そもそも神託が下りる人間なんて、本当は一人しかいないよね。王さえも従える、この国の実質上の支配者様」
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 08:01:30.31 ID:qOxPA+d10
綺羅びやかな鎧兜=勇者「こんにちは。よろしく頼むよ、『従者』殿」


【従者だと? あの男が?】【汚いことばかりしているあいつが従者?】

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 08:02:49.30 ID:qOxPA+d10
続きは今日中に頑張る

しばらくは非安価で進行
イベント毎に安価取って行くつもりなのでよろしく


6:名無しNIPPER[sage]
2015/10/24(土) 08:07:58.01 ID:jtQu9Q050
無理せずに頑張って下さい。


7:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:38:08.90 ID:UhKcO/l70
『じゃあ、行ってくる』

女=侍従服・黒のエプロンドレス=侍従長『……』ぎゅっ

『あ、こら』
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:38:40.22 ID:UhKcO/l70
柔らかな声=頭上「……起きて。起きて」

「ん……?」

女=法服=教団の神官「起きた。……どうか、した?」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:39:15.35 ID:UhKcO/l70
(整然と敷き詰められた石畳、調和の取れた美しい建物。この都市は豊かだ。交通の要衝、この都市を通って、あらゆる物品が流通する。……だが)

(手を振る勇者――この人々の熱狂ぶり。熱に浮かされたような絶叫……)

(前方に集団――歩み出た男の装束は集団の中で最も豪奢だった。国境地方一帯を治める領主はこの都市に拠点を構えている)
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:39:46.38 ID:UhKcO/l70
(領主は胸に手を当てて一礼する。ちら、と神官に向けた目が数秒動かない)

領主「お噂はかねがね、女神のごとき美貌とはまさにこのことですな。神通力も歴代随一であるとか。いやはや、本当にお美しい」

勇者「はい、これまでの道中でも、彼女には何度も危ういところを救われました。……」
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:40:28.52 ID:UhKcO/l70
――領主私邸――

勇者「さあ、横になって。どこか痛いところはない? 欲しいものは? ああ、飲み物がいるかな、待ってて、すぐに用意させるから」

神官「え……ぅ……」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:41:26.30 ID:UhKcO/l70
(騎士が腰の剣に触れる。勇者が何事か言おうとして、神官が起き上がるのに気付く)

勇者「大丈夫だよ、心配しなくてもいい。少し揉めているだけだから――」

(神官がこちらを見る。ただでさえ白い顔が蒼白だった)
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:41:58.38 ID:UhKcO/l70
(通りに添って歩く)

(角を曲がって路地に入る。入り組んだ道は進むほどにうらぶれていく。この都市は豊だが、決して末端まで豊かさが行き渡っているわけではない……)

(前方に人影。外套のシルエットに見覚えが、声には聞き覚えがある)
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/11/02(月) 00:44:52.35 ID:UhKcO/l70
ここまで
びっくりするぐらい進まないなあ

まあいいや、今月中には安価まで辿り着こう、頑張ろう


15:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 03:58:14.52 ID:FVJrEmYt0
投下いたします


16:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 03:59:11.28 ID:FVJrEmYt0
――領主居館――

(居館に戻り、広い玄関に這入ると、男の一団と鉢合わせた)

男=上質な衣装=領主(?)「おや、いったい何処においででしたかな。神官様の具合はいかがかと、これよりお見舞い申し上げようと思っていたのですが」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 03:59:37.80 ID:FVJrEmYt0
「私の祖父が存命だったときは、私どもにも女神様の加護があったのか、領主殿のように海魔の被害を受けなかったらしいのですが。是非私も、亡き祖父が賜っていたという女神様の寵愛を取り戻したいものです」

領主「お祖父様が身罷られたのは十年前でしたかな。私も若い折、お祖父様には大変お世話になったものだから、あの方のお孫様である(…)様の苦労なさっている姿を拝見するのは心苦しい」

(領主がこちらを見る。周囲の男たちが一気に緊張する。懐に手をやるもの、手を腰の後ろに隠すもの。一様に、合図に即応できる態勢に入っている)
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 04:00:18.41 ID:FVJrEmYt0
――領主居館・裏口――

騎士「待て、貴様、宴に出ないとはどういうことだ!」

「静かにしろ。俺達がこんな所にいることがバレたら面倒だ」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 04:00:56.54 ID:FVJrEmYt0
(騎士は頷いて手を離す)

(外に出てしばらく進む。そのまま城壁を抜けると行く手には森が広がる。その前に人影、こちらの姿を認めると一礼する)

外套=従者E「準備は完了しています。が、森に潜む者たちが、こちらに気づきました」
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 04:02:04.51 ID:FVJrEmYt0
「殺していないな?」

従者E「はい。多少手足が捥げているかもしれませんが」

「口さえ動けばいい。尋問して知っていることを洗いざらい吐かせる」
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/11/05(木) 04:02:42.81 ID:FVJrEmYt0
(従者Eが鉄格子の鍵を探し出した。錠を開けさせる)

「そこで、お前の出番というわけだ」

勇者「……僕の、『勇者』という看板を使う、ってことかな」
以下略



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