55:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:08:51.92 ID:ZQjZY+y8o
「んー、でも、ここまで来たら続き気になるし……。な、最近のゲームって当たり前みたいにボイスあるんだな」
『グレイル! ちくしょう、おまえみたいな奴を、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ良い奴だと思ってた俺がバカだったよ!』
56:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:09:23.14 ID:ZQjZY+y8o
ベッドに寝転がるゴローを睨んだ。こいつには慈悲というものがないのか。
「どういうつもりだ、貴様!」
57:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:10:00.31 ID:ZQjZY+y8o
「たしかに。なるほど。言い得て妙。セーブポイントからやり直しってわけにはいかないさな」
しきりにうんうん頷きはじめる。変なところでひっかかる奴だ。
58:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:10:27.05 ID:ZQjZY+y8o
「普段だったら、ゲームに飽きて出かけようって言いだす頃だろ」
「え、いや……」
59:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:10:57.43 ID:ZQjZY+y8o
「……よくわからないんだよな」
「なにが」
60:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:11:23.91 ID:ZQjZY+y8o
「俺は……ロマンチストなんだよ」
「ほお?」
61:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:11:50.91 ID:ZQjZY+y8o
「これからもう、ああいうきらきらした景色に出会うことはないのかなって思うんだ。
ぜんぶ変わっていって、なくなっていって、残るのはこういう、やりきれない気持ちだけなのかもしれないって」
昔は何も知らなかった。何も知らなかったから、楽しかった。
62:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:13:29.77 ID:ZQjZY+y8o
「きらきらじゃなくなってしまった世界。楽しいことが過ぎ去っていく世界。なにもかも悲しくて悲しくてとてもやりきれないだけの世界。
いま、おまえが言ったのは、そういう世界のお話だ。違うか?」
「違わない」
63:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:14:33.91 ID:ZQjZY+y8o
その土曜は結局することもなくて、仕方なく本屋にいったり中古ゲームショップにいったりしたけど何も買わなかった。
昼食はマックで済ませて、あとは自転車でそれぞれの家に解散した。大概の土曜はそんな感じだ。
当然、日曜だって何か特別なことが起こるわけでもなかった。
64:名無しNIPPER[saga]
2015/11/15(日) 19:15:00.28 ID:ZQjZY+y8o
「たっくん、どういうこと!」
「な、なにが」
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