832:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:28:20.05 ID:pZZx+2x0o
そんなわけですず姉はちい姉が戻ってくるよりも先にパタパタと歩き始めた。
宣言通り離れ座敷に連れ込まれた俺達は、その部屋の様子にまず唖然とした。
「うわ、なんすかこれ」
833:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:29:00.01 ID:pZZx+2x0o
部屋にあふれる機材、キーボードにパソコン、ところどころに熊のぬいぐるみが置かれていた。
「タクミ」
834:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:29:26.19 ID:pZZx+2x0o
「ひとまずピックで弦弾いてみて」
「弾くって……」
835:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:29:52.13 ID:pZZx+2x0o
低い音が響く。
「……おお?」
836:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:30:26.23 ID:pZZx+2x0o
すず姉はストラップを首にかけてすぐ、ピックももたずに弦を押さえた。
右手の指が弦の上を滑るように弾くのと同時に、音がうねりはじめた。
波濤の壁が部屋を押し広げた。
837:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:30:51.88 ID:pZZx+2x0o
◇
次に窓の外を見た時には日が沈みかけていた。
838:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:31:18.54 ID:pZZx+2x0o
ずっと横で様子を見ていたるーが、ここに来てようやく口を開いた。
「そういえば、タクミくん、さっき何か言ってませんでした?」
839:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:32:07.93 ID:pZZx+2x0o
「ちい姉の彼氏って、ひょっとして……」
「はい」とるーは頷いた。
840:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:32:46.98 ID:pZZx+2x0o
「さて、じゃあタクミ、ベースとアンプと教本は貸してあげるから、家に帰っても練習すること。夜はあんまり音出しちゃ駄目だよ。ヘットホンつけてね」
「……あ、うん」
841:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:33:22.97 ID:pZZx+2x0o
「誰の家が一番近い?」
「俺の家かな」とゴローは言う。
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