10: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:19:22.17 ID:QvQsG1d2o
「美味しい」
「でしょー? 見直した?」
穂乃果の家。穂乃果は買ってきた食材を手早く調理し、いっていた通りにカルボナーラを作り上げた。
11: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:19:54.02 ID:QvQsG1d2o
「ご馳走様です」
「お粗末さまです。片付けてくるね」
「何から何まですみません」
12: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:20:24.75 ID:QvQsG1d2o
いったいどういうことだろう。
首を傾げていると、穂乃果が戻ってくる。
「ああ、それ?」
13: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:20:52.14 ID:QvQsG1d2o
詳しい話を聞く。
真姫の家出は、ひとまずのところ解決を見ているらしい。真姫が穂乃果の家にいるのは親元を離れて暮らす練習だとか。
……少しだけ、悔しい。
14: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:21:32.48 ID:QvQsG1d2o
「まぁ、真姫とあなたが納得しているのなら、私からいうことはありませんが……」
個人的なわだかまりはあるが、それは関係ない。
話を聞いている限りでは普通の生活をしているようだし、同居という点に目を瞑れば問題はないのだ。
15: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:22:01.98 ID:QvQsG1d2o
「それでは、そろそろお暇させていただきます」
「えー? もう帰っちゃうの?」
「ええ、その……。やらなければならないことがありますので」
16: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:22:27.82 ID:QvQsG1d2o
何事もなく一日が経過する。穂乃果と会ったこと以外はいつもどおり。
だけどそれは、確実に私に何かを残していった。
「サボってしまいましたねぇ」
17: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:23:07.53 ID:QvQsG1d2o
「授業中、ですよね?」
フェンス越しに見る校舎に動く人影は見当たらない。が、屋上に誰かが立っている。
昼休みはとうに終わっている時間帯。で、あれば何故屋上に人が。
18: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:23:48.10 ID:QvQsG1d2o
「あなたが大学をサボるなんて、いったいどうしたのよ」
寂れた喫茶店の一角で、真姫はコーヒーをストローで啜る。よくもまぁ、そんな苦い汁を飲めるものだ。
あの後、真姫は鞄を持って私のところまでやってきた。体調が悪いと言い張り、早退をしたそうだ。
19: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:24:32.84 ID:QvQsG1d2o
「昨日、穂乃果に会ったんでしょう?」
「ええ、ばったりと」
「どうだったのよ」
20: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:25:20.91 ID:QvQsG1d2o
「私、穂乃果と違って優しいから教えてあげましょうか? その居心地の悪さの原因」
「……聞きましょう」
真姫が指を組み、椅子の背もたれに身体を預ける。わざとらしく足を組み、高圧的な姿勢を取る。
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