10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:38:27.40 ID:MINR9RW5o
なるほど。背も高いし、丹精な顔立ちは優しさも兼ね備えていそうだ。これならモテるというのも頷ける。
でも残念、私は同年代の男子に興味はないの。静かに首だけを降り、そんなのはいいから続きをという意思を目で伝えた。
「……あの、その、えー……。悪い、柄にもなく緊張してて……」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:38:53.95 ID:MINR9RW5o
「…………俺、お前のことが好きだ。よかったら俺と付き合ってくれ」
意を決したらしい彼から、予想していた通りの言葉が耳に届く。ほとんど面識のない同級生に何故お前呼ばわりされるのかはわからないが、驚きは特にない。これまで何度も繰り返してきたことだ。
だから、私も同じことを繰り返すだけ。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:39:23.29 ID:MINR9RW5o
いつもそう。よく知りもしない私のことを大したきっかけもなく好きになって、ぶつけてきて、断られて、簡単に諦めてしまう。私には理解できない。
そんなの、本物の気持ちなわけない。本物の気持ちはそんなことで生まれたりしないし、そんなに簡単に捨てられるものじゃない。
私はそう思う。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:40:03.61 ID:MINR9RW5o
「なら友達から……」
「ごめんなさい」
間、髪を入れずまた頭を下げる。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:40:29.89 ID:MINR9RW5o
「……そっか。最後、もう一つだけ教えてくれるか?」
「……うん」
聞かれて困るようなことはさほど多くない。最後だというなら質問に答えるぐらい構わないだろう。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:40:55.93 ID:MINR9RW5o
あれ、疑問系になっちゃった。
「……それってさ、同級生?」
「ううん」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:41:33.03 ID:MINR9RW5o
振り向いて戻ろうとすると、また声をかけられたので足だけを止める。
「さっきお前疑問系だったけどさ、そうじゃなくていいと思う」
「なんの話?」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:41:59.13 ID:MINR9RW5o
「……俺、出直してくるよ。今になって言うのはカッコ悪いんだけど、ずっと前からお前のこと見てたんだぜ」
もう彼の言葉は耳に届かなかった。
思いがけない他人からの言葉で自覚させられ、改めて想いを胸に問い掛ける。
18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:42:25.92 ID:MINR9RW5o
でもいくら会いたくても、あの人にとっての私はたまたま出会った小学生の一人に過ぎないし、そもそもどうやったら会えるのか、何をしているのかなんてわからない。
───そうだ、平塚先生なら知っているはずだ。
そこまで考えると、振り向いてお礼を言ってから足早に教室に戻った。やりたいことが見つかると、足取りは弾むように軽かった。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/24(木) 00:43:48.89 ID:MINR9RW5o
ここまで
時間かかった割に案外短かった
ぼちぼち更新してくので気長にお付き合いください
なおpixivでも同じもの投稿してます
20:名無しNIPPER[sage]
2015/12/24(木) 00:53:46.02 ID:aFCw7WQFo
乙です!
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