8: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:37:50.53 ID:kvJDh1Sbo
「少しずつでも前に進んでる自分を認めてやらないと。現に俺とはこうやって普通に話せるようになったんだし」
「それは、プロデューサーだからで……」
9: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:38:41.07 ID:kvJDh1Sbo
「それに、犬の方も少しずつ成果が出てるらしいじゃないか」
この数ヶ月、雪歩は苦手な犬を克服するべく特訓している。
その甲斐あってか、事務所仲間の飼い犬を触れるようにはなったらしい。
10: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:39:19.47 ID:kvJDh1Sbo
「俺は、そうやって苦手に正面から向き合って何とかしようとする雪歩の強さを、すごいと思ってる」
「そ、そんな。私なんてダメダメで……」
11: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:39:58.18 ID:kvJDh1Sbo
「雪歩が自信を持てない分、俺が褒めるから」
プロデューサーの口角が持ち上がる。
雪歩の反応が楽しみで仕方ない、といった表情だった。
12: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:42:11.93 ID:kvJDh1Sbo
自信なんて、持てと言われて持てるものではない。
それはプロデューサーも重々承知している。
ただ、ほんの些細なことでもいい、きっかけにさえなれば。
そんなことを考えながら笑みを浮かべる。
13: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:42:56.00 ID:kvJDh1Sbo
「お、どうした?」
小さくこぼれた笑いは、それでもプロデューサーに届いたらしい。
14: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:43:22.57 ID:kvJDh1Sbo
「ちょっとでいいんだよ。それが次の一歩につながるんだ」
プロデューサーは嬉しさを隠そうとしない。
純粋に、雪歩が前向きになってきていることを喜んでいる。
15: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:44:09.40 ID:kvJDh1Sbo
***************************
「到着、っと」
16: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:44:44.58 ID:kvJDh1Sbo
「ちょっと遅れちゃいましたね」
雪歩が到着すれば、全員集合となるはずだ。
全員で集まるために奔走した、当のプロデューサーに複雑な笑みが浮かぶ。
17: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:45:32.62 ID:kvJDh1Sbo
「雪歩、後ろの袋取ってくれないか」
それだけを言い、プロデューサーはトランクへと向かっていった。
振り返ると、そこには一抱えほどもある袋が鎮座している。
18: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2015/12/24(木) 19:46:25.43 ID:kvJDh1Sbo
「…………ふぇっ!?」
ぽかんと口を開けたまま固まる。
言葉の意味を理解するのに、少しばかり時間が必要だった。
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