42:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:19:24.10 ID:NYPOpsNEo
*
物語はクライマックスを迎える。
西垣「はっはっは。王子よ。まだまだ未熟だな。その程度の剣技で私に勝とうなど。色恋にほだされて、冷静さを欠いたな」
43:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:19:53.57 ID:NYPOpsNEo
京子「はいカットー! それじゃscene12、『王子、シンデレラに誓いの口づけを交わす』行こうかー!」
結衣「いつからお前は監督になったんだよ!」
みんなが爆発で飛び散った小道具を片付けている中、ひとりふざけている京子先輩に結衣先輩が突っ込みを入れる。
44:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:20:22.91 ID:NYPOpsNEo
あんなに一生懸命頑張ってくれたのに、あかりちゃんはそんな役割でよかったのかな。
あかりちゃんは魔法使いと言ったのは私だし、あかりちゃんも凄く喜んでくれたように見えたけど、ついそんな思いが頭よぎる。
あかりちゃんも昔はよく主役になりたいって言っていたし、本当はシンデレラだってあかりちゃんの憧れだったのかもしれない。
あかりちゃんの態度からはとてもそんな風に思っているように見えないけれど。
45:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:20:53.22 ID:NYPOpsNEo
京子「はいそれじゃー気を取り直して今度こそー! scene12行ってみようか!」
結衣「だからいつからお前は監督になったんだよ!」
ちなつ「そうですよ京子先輩。イベント終わって暇になったからって、今から仕切りたがっても遅いですからね」
46:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:21:22.31 ID:NYPOpsNEo
向日葵「王様を倒した王子様がお城の広間に戻ると、広間の中心でシンデレラが涙を流してうなだれていました」
結衣「おお、チーナよ、どうして泣いているのですか」
ちなつ「王子様……。だって、私のせいで、実のお父様と……」
47:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:21:50.85 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「はっ!?」
京子「はい! カットー! いやーよかったよー! 二人とも!」
ちなつ「え!? ちょっと!? 何がどうしてるっていうんですか!?」
48:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:22:28.71 ID:NYPOpsNEo
*
ちなつ「あかりちゃん……私、どの辺りから気を失ってたかわかる……?」
帰り道、結衣先輩と別れた後、私はあかりちゃんにそう尋ねた。
49:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:23:01.32 ID:NYPOpsNEo
あかり「ち、ちなつちゃん、どうしたの?」
私がずっと見つめていると、あかりちゃんは恥ずかしそうに絡ませている腕を外した。
それでも私はあかりちゃんから視線を逸らさない。
50:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:24:01.71 ID:NYPOpsNEo
ちなつ「なーんて、冗談!」
私はそう言って、くるっと体をひねった。
あかり「え、え、え! もう! ちなつちゃん! びっくりさせないでよ!」
51:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:24:35.99 ID:NYPOpsNEo
*
あかり「いよいよ後三日かぁ……」
ちょき、ちょき、ちょき、とテンポのよいハサミの音が部室内に漂う。
52:名無しNIPPER[sage saga]
2016/01/30(土) 01:25:09.68 ID:NYPOpsNEo
結局あれからキスの練習は一度もないまま、私は三日後の文化祭に臨まなければいけない。
多分明日と明後日は小道具の準備に追われるだろうし、一回台本を合わせられればいい方だろう。
こんな紙吹雪を作るより、結衣先輩とキスシーンの練習をしたかったのに。
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