過去ログ - 綾乃「恩人が分かんない稚内なのよ」
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2: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 21:54:35.67 ID:ZF+BJpS80
杉浦綾乃はいつもの廊下を歩いていた
しかし、彼女にはある危機が訪れていた
(まずい…頭が)
3: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 21:55:33.29 ID:ZF+BJpS80
幼少の頃の思い出は、杉浦綾乃という少女にとっては、良いものではなかったかもしれない
(いつも一人だった)
彼女の記憶には家族以外の他者が存在していなかった
4: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 21:56:31.39 ID:ZF+BJpS80
「…だい…です…」
「しん…な。あとは…」
「…」
5: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 21:57:21.14 ID:ZF+BJpS80
生徒会室への道のりの中で彼女は考えていた
(私を運んでくれた人は誰なのだろう)
その考えが、彼女の意識の閾でもたげていたのである
6: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 21:58:08.48 ID:ZF+BJpS80
生徒会室に戻る
千歳は家庭の事情でさっきの時点ですでにいなかったが、1年生の二人も、
私が生徒会室を出るときに帰った
7: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 21:59:17.24 ID:ZF+BJpS80
「歳納京子ーッ!!」
ごらく部の障子を両方開きながら綾乃は叫ぶ
恥ずかしくても勇気を出さなければこの役職は務まらないと彼女は思う
8: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 22:00:19.89 ID:ZF+BJpS80
一人で帰るのは随分久し振りかもしれない。ほぼ毎日千歳と一緒に帰っていたから
結局、私を救ってくれた人は誰なのだろうか。あの様子では、船見さんではないだろう。歳納京子が何かを隠しているというのも考えにくい
本当にただの善意で、見知らぬ人に助けられたと考えるのも間違えではなさそうだ
こうなる前に、西垣先生に訊いておくべきだったか、少し後悔している
9: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 22:01:00.80 ID:ZF+BJpS80
「綾乃ちゃんが倒れるなんて珍しいなぁ」
千歳が最初聞いた時にはひどく驚いた。自分がいないときに限ってこんなことが起きるなんてと
「それよりも助けた人が分からな稚内なのよ」
10: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 22:02:00.49 ID:ZF+BJpS80
「すまん、忘れた」
その理由が見てわかる。西垣先生の髪の一部が黒くなっており、嫌なにおいもしている
「…」
11: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 22:03:00.66 ID:ZF+BJpS80
「どうやった、綾乃ちゃん」
綾乃は生徒会室に帰って一番に千歳に聞かれた
「ダメだった」
12: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 22:03:41.05 ID:ZF+BJpS80
再び、あの廊下で綾乃は待っていた。廊下の柱の陰には三人の影
(本当にうまくいきますの?これ)
向日葵が訝し気に櫻子に聞く
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