1:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 18:53:19.23 ID:Xi7uubKoo
勇者「ぼく、ここで死んじゃうんだ」
勇者「お母さん、ごめんね。帰れそうにないや……」
勇者「……最初からわかってた。王様達が、ぼくを……魔族に殺させようとしてたって」
傷だらけの幼い勇者は、故郷で待つ母を想いながら意識を失った。
※朝チュンレベルだが後に凌辱要素有、R−15
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 18:54:08.84 ID:Xi7uubKoo
Section 1 旅立ち
――五ヶ月前、ブレイズウォリア城・謁見の間
国王「勇者エミル・スターマイカよ。お前が旅立つことが決定された」
3:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 18:54:36.82 ID:Xi7uubKoo
勇者「でも王様、ぼくはまだ12歳で……」
勇者「光の力だって、ほんの少ししか受け継ぐことができませんでした」
勇者の血を引く者は生まれつき魔を滅する光の力を持っている。
4:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 18:55:20.60 ID:Xi7uubKoo
国王「その力があれば一人でもやっていけるであろう」
勇者「そんな」
神官「陛下、恐れながら……こんな小さな子に一人旅だなんて残酷すぎますわ」
5:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 18:55:50.31 ID:Xi7uubKoo
勇者母「ごめんね、あなたの養育費を全て返すから旅立ちを取り消してほしいって頼んだのだけれど」
勇者母「返却できる制度は存在しないから、って……取り合ってもらえなかった」
勇者「お母さんがぼくを守るために協会といつも喧嘩してたことは知ってるよ」
6:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 18:56:35.87 ID:Xi7uubKoo
勇者母(エミルは、幼い頃からお料理とお勉強が好きで、平和を愛する子でした)
勇者母(一般的な道徳観念を魔属にも適用してしまうほど、心根の優しい子)
勇者母(この旅でも、きっと一匹も魔物を殺さないでしょう)
7:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 18:58:03.48 ID:Xi7uubKoo
武闘家「わりぃな、一緒に行ってやれなくて」
勇者「王様の命令だもん。仕方ないよ。見送りありがとうね」
神官「ご友人ですか?」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 18:59:51.23 ID:Xi7uubKoo
神官(なんて綺麗な緑色の瞳……まるで、日に照らされた木の葉のよう)
神官「魔物を殺したことがないのですか?」
勇者「うん。大抵懐かれちゃうから、あんまり襲われたことないし」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:02:42.72 ID:Xi7uubKoo
勇者「既に気が立ってる魔物にはどうしても攻撃されちゃうけどね」
勇者「でも最後には仲良くなれるんだよ」
神官(魔物に懐かれるだなんて……不思議な子)
10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:03:08.58 ID:Xi7uubKoo
村長「おお、よくぞいらした勇者様」
勇者「こんにちは!」
村長「しばらく見ない間に大きくなられましたのう」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:03:34.50 ID:Xi7uubKoo
神官「この村に訪れたことがあるのですか?」
勇者「うん。三年くらい前かな」
勇者「お兄ちゃんと、お父さんと一緒にね」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:04:01.24 ID:Xi7uubKoo
勇者「だめだよ、危ないよ」
村長の孫「あ? 誰だてめえ」
子分1「真の勇者様の子供ですぜ」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:04:30.96 ID:Xi7uubKoo
村長の孫「ついてくるなよ!」
勇者「だって……心配だから……」
村長の孫「年下のチビなんかに心配される筋合いねえっつーの! 失せろ!!」
14:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:04:59.99 ID:Xi7uubKoo
子分2「やっとついてこなくなりましたねーあいつ」
村長の孫「出てこい化け物! この俺様が退治してやるぜ!」
?「ガルルル……」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:05:26.71 ID:Xi7uubKoo
ドラゴンの鋭い爪が引き裂いたのは、村長の孫ではなく、勇者の背だった。
村長の孫「あ……ぁ……」
勇者「っ……」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:05:52.98 ID:Xi7uubKoo
勇者「は、ぁ……」
子分2「た、助かった……」
子分1「こいつ、血が……大人を呼ばなきゃ」
17:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:06:20.30 ID:Xi7uubKoo
勇者兄「目を離した隙に勝手にどっか行くのやめろっつってんだろ!!」
勇者兄「ドラゴンの子供が飛んでくのを見たぞ!」
勇者兄「お前また魔物を助けただろ! 殺せって何度言えば……」
18:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:06:50.12 ID:Xi7uubKoo
――村長の家
エミルは寝息を立てて眠っている。
勇者兄「俺のエミルがあぁ……傷痕が残っちまったら兄ちゃん悲しいぞ……」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:07:43.61 ID:Xi7uubKoo
――――――
――
村長「あの時の恩は返しても返しきれませぬ」
20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:08:38.55 ID:Xi7uubKoo
翌日
勇者「ありがとうございました」
村長「よかったらまた来てくだされ」
21:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 19:09:05.88 ID:Xi7uubKoo
勇者「あ、でもユダスさんはお父さんに近づいちゃだめだよ!」
勇者「すっごい女好きでさ、女の人が近付いたら危ないんだって」
神官「彼は、勇者としての素質は随一だったのに、その……」
806Res/464.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。