過去ログ - 真「二人の幸せのために」
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4:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:29:38.16 ID:n3AMBxtn0

公園の入り口に着くと奥の方に人影が見えた。
夜中に公園に来るのは初めてだったから知らなかったけど、公園には公園灯がたくさん設置されていて思いの外明るい。
規則正しく並ぶオレンジの光の間を縫って人影に駆け寄る。そこにいたのは、やっぱり雪歩だった。

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:32:14.72 ID:n3AMBxtn0

静まり返った公園にはサァー……という水音だけが聞こえ、ふと雪歩から視線を外すと雪歩の後ろに噴水があるのが見えた。
噴水から出た水が放物線を描き、月明かりを反射して煌いている。ボクはしばしその光景に見蕩れていた。

「あ、あのね……。」
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:34:27.82 ID:n3AMBxtn0

顔を真っ赤にして目を瞑りながらそう言う雪歩を、ボクは少しの間ポカンとした顔で見つめていた。雪歩は目をギュッと閉じたまま、産まれたての小鹿みたいにフルフルと震えている。

(勿論ボクも好きだよ。)という言葉を喉から出る直前に飲み込んだ。雪歩の“好き”はそういう“好き”じゃない……。それだけの事を言うのならこんな所まで呼び出さなくたっていいはずだ。

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:36:27.70 ID:n3AMBxtn0

あまりにも驚いたせいで雪歩がボクの返答を待っている事をすっかり忘れていた。当の雪歩はいつの間にか目を開いていて、今にも涙が溢れそうな瞳でボクの顔を不安げに見つめている。

雪歩が不安がってる。何か喋らなくちゃ。

以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:38:56.45 ID:n3AMBxtn0

「あのね、まず、真ちゃんは私が事務所に入ったばかりで今よりもっとダメダメだった時、私を励まして、『一緒に頑張ろう。』って言ってくれたよね。それがすごく嬉しかったの。
それからもずっと不安な時や苦しい時に真ちゃんが傍にいてくれたから、私、今まで頑張ってこれたんだと思う。本当に感謝してるの。それから、真ちゃんのカッコよさも勿論大好きだし、女の子らしくしようと頑張ってるところも好き。
普段は気丈に振舞ってるけど本当は繊細で傷付きやすいところも、全部全部大好き。それからそれから……

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:40:08.80 ID:n3AMBxtn0

ふぅ、と一息ついて、「雪歩の気持ちはよく分かったよ…。じゃあ、ボクの気持ちを言うね。」と言葉を紡ぐ。

雪歩はボクの言葉の続きを固唾を飲んで待っている様だった。


10:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:43:46.58 ID:n3AMBxtn0

正直、告白された今でもボクは雪歩の事をそういう目では見れていない。
でも、雪歩に告白されて素直に嬉しいと思った。告白されたのなんて生まれてはじめてだし。雪歩はとてもかわいい女の子で、性格も愛らしい。雪歩の言う“好き”とは少し違うけど、ボクも雪歩が好きなことには違いない。今は違っても、時間が経てばボクも雪歩を“好き”になれるはずだ。

それに――……。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:45:54.65 ID:n3AMBxtn0

雪歩は少しの間呆然とその手を見つめていたけど、ボクと同じように、でもおそるおそる右手を伸ばしてきて、ほとんど添えるような微かな力でボクの手を握った。

「本当に……?本当にいいの…?」

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:47:55.69 ID:n3AMBxtn0

すると雪歩はボクの手を離し、突然ボクの胸に飛び込んできた。

ボクの胸元に頭を預けて抱きついたまま泣き続ける雪歩になんて言葉をかければいいのかわからず、とりあえず雪歩の背中に手を回して軽く抱き返す。そのまま子供をあやすように、ぎこちないながらも雪歩の背中をポンポンと叩いてあげた。

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/02/11(木) 22:50:21.09 ID:n3AMBxtn0

「私……真ちゃんが好きで……大好きで……。でも、その気持ちを真ちゃんに伝えたら嫌われる、気持ち悪がられるに決まってるって思ってずっと言えなくて……辛かった。」

「……うん。」

以下略



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