過去ログ - 水本ゆかり「瞬くたびに変わるように」
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4:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:34:18.98 ID:e0xKlt1b0

 そんなとき、後ろからぱたぱたと聞き憶えのある足音がして、誰かに抱きつかれました。
 甘いショコラとハチミツと、あとは桜の匂いがして、やっぱり法子ちゃん。

「おはよっ、ゆかりちゃん! これからお仕事?」
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:35:04.65 ID:e0xKlt1b0

「今日は朝から楽しみで、さっきたくさんドーナツ食べちゃった!」

「ふふっ、そんなに食べたら、お仕事で食べられなくなっちゃいそうです」

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:36:44.48 ID:e0xKlt1b0

 ドーナツが大好きな法子ちゃんに、ドーナツの仕事。
 本当にぴったりなので、きっと上手くいくんだと思います。
 好きこそ物の上手なれ、という言葉の通りになるのでしょう。

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:37:25.32 ID:e0xKlt1b0

 肩に下がる大きなトートバッグには、おあつらえ向きにブランケットと読みかけの詩集が入っています。

 事務所の近く、大きな噴水がある公園。そこでゆっくり深呼吸でもしてから、考えたほうがよさそうな気がしました。

以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:39:06.32 ID:e0xKlt1b0
――――――――――


 公園のベンチに腰掛けて、大きな時計を眺めていました。
 長針も短針も、動きそうな素振りはひとつもありません。
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:40:09.57 ID:e0xKlt1b0

 うっとり、上のまぶたが落ちかけていたころ、足元にサッカーボールが転がってきました。

 近くで男の子が小さく手を上げて、ボールを蹴って。そう言いました。

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:40:55.50 ID:e0xKlt1b0

 ベンチの上を小さく払って、男の子はそこに座りました。

 小学生くらいのこの子は、どこかで見たことがあるような顔をして、少し笑っていました。

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:41:56.99 ID:e0xKlt1b0

「ぼくにはあんまりわからなかったけど」

「そうですよね……私ったら」

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:42:30.09 ID:e0xKlt1b0

「あっ、あの! どこに向かってるんですか!?」

「大丈夫、もう着くから! ほら!」

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:43:12.06 ID:e0xKlt1b0

「いいところでしょ?」

「はい、絵本の中みたい……」

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:44:14.15 ID:e0xKlt1b0

 ひとしきり桜の絨毯の上で笑ったら、男の子がぽつりぽつり話し始めました。

「ぼくにはお姉さんの悩みはわからないけどさぁ」

以下略



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