20: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 10:33:42.92 ID:IQrTBBQc0
「でも……」
と考え込むようにふみかちゃんは声を落とす。
「ふみかちゃん、これでとばっちり受けたら、私ら明日から針のむしろみたいな生活しなくちゃならなくなるかもよ」
21: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 10:45:11.84 ID:IQrTBBQc0
恋人のお願いとか、昨日別れたみさきさんのお願いとかは全然心に響かない。
が、ふみかちゃんのお願いは心に突き刺さる。
内容が内容だけにより深く。
私は腕を離した。
22: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 11:04:09.58 ID:IQrTBBQc0
周りが唖然としている中、
ふみかちゃんはめげずに口を開いた。
「し、しないようにできる限り務める方向でどうでしょうか?」
23: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 11:16:18.77 ID:IQrTBBQc0
昼休みになった。
楠崎さんはいつも教室にいない。
聞いた話だと、女子ととっかえひっかえでご飯を食べてるとか。
と、その話をりょうちゃんにすると、彼女は首を振った。
そして、私の耳元に顔を寄せる。
24: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 11:45:30.07 ID:IQrTBBQc0
「そういや、楠崎さんてけっこう毒吐くんだね。夜もそうなの?」
「うん」
ふみかちゃんは頷いた。
25: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 12:09:19.95 ID:IQrTBBQc0
午後7時。
自転車を立て看板の横に止めた。
女子高生がいそうな雰囲気ではない。
のれんをくぐり、少し躊躇しながら引き戸を右に引っ張った。
26: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 12:24:17.45 ID:IQrTBBQc0
カウンターでサンマの背骨を綺麗にはがしていた彼女は、こちらを見やった。
「なんでいるの」
楠崎さんが言った。
27: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 12:36:33.75 ID:IQrTBBQc0
楠崎さんと同じサンマ定食を頼んだ。
「今日はありがとう」
「いいけど、もしかしたら、私がチクったとかって思わないの」
28: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 12:54:48.08 ID:IQrTBBQc0
楠崎さんはきょとんとして、それから目を細めた。
互いに睨み合う。
「顔がいくら良くても、許せないことってあるよ」
29: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 13:24:19.03 ID:IQrTBBQc0
彼女はたちまち食べ終えて、私より先に店を出て行った。
ふみかちゃんが眉根を寄せて、駆け寄ってくる。
「ごめん、ダメだった」
30: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/17(水) 13:44:07.99 ID:IQrTBBQc0
「楠崎さんっ」
私は小さく叫ぶ。
「私も昨日はいらっとしたよ」
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