過去ログ - 神谷奈緒「それぞれの幸せ」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 10:58:36.12 ID:NDuKW9gF0
「うー……」

 緊張する。ものすごく緊張する。家を出た時から動悸が激しくて、口から心臓が飛び出そうだ。

 あたしがアイドルを辞めた翌日、オフのPさんに会うためにPさんの自宅に向かっている。
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 10:59:07.68 ID:NDuKW9gF0
「うふっ……」

 Pさん、可愛いって言ってくれるかな……。あたしにしては珍しく可愛い系の服だし。ひらひらしててふんわりとガーリーな感じ。可愛いって言ってくれると良いけどな。

 ドキドキしながらPさんの家の前に立つ。このインターホンを押せばあとはPさんに会うだけ。
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 10:59:49.32 ID:NDuKW9gF0
「加蓮? 誰か来たの?」

 しかも、あたしに追い打ちをかけるかの如く、奥からもう一人のユニットメンバー、渋谷凛が顔を覗かせていた。

「凛まで!? お前らなんでここに居るんだよ!」
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:00:28.51 ID:NDuKW9gF0
「へ、へー……お前らも大変なんだな……」

 ここに居てはまずい。あたしの直観がそう告げる。Pさんが目で助けを求めているが、今はあたしの保身の方が大事なんだ。ごめん、Pさん。

「じゃ、じゃあ、忙しそうだし、あたし帰るよ」
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:01:04.34 ID:NDuKW9gF0
「そうだね。私達はオフだよ。奈緒と一緒にトライアドプリムスとして最後のステージに立ったからね」

「奈緒はあのステージでアイドル引退したけど、私達まだアイドルだからね。休みの日でももっと上に行く為に研究は欠かせないよ」

「へ、へぇー、さすがは勉強熱心だなぁ、それじゃあますます邪魔するわけにはいかないよ」
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:01:57.85 ID:NDuKW9gF0
「で? 一昨日から付き合ってるんだ?」

「昨日は奈緒の引退のためのステージだったのに? へー? そうなんだー」

 経緯を一から説明させられ、あたしは顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。余裕がなくてふたりの方を見れなかったから、しばらくは良かった。でも、ちらっと二人の方を見たら、あたしの顔色は赤から青に変化した。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:02:25.28 ID:NDuKW9gF0
「じゃあ、次は私から質問するね」

「お、おう?」

 ひたすら笑顔の加蓮が怖い。笑顔ってここまで人の恐怖をあおるんだな……。
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:03:02.38 ID:NDuKW9gF0
「じゃあ次はプロデューサーに質問するから、奈緒はステイ」

 犬のような扱いをされている気がしないでもないが、今、この二人に逆らうのは死を意味する気がする。

「ねぇ、Pさん」
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:03:30.05 ID:NDuKW9gF0
「あの……ですね……、あの時の奈緒は自宅の敷地に居たので……アイドルではなくて、ただの奈緒でして……」

 良い大人の男が、年下の小娘相手に怯えながら弁明する様は傍から見ればさぞ滑稽だろう。

「ふーん……。プライベートな敷地だったら良いんだ。へー……」
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:04:18.19 ID:NDuKW9gF0
「そう……でしたっけ……?」

 Pさんが精いっぱいの作り笑いを浮かべている。その作り笑いを見た凛の周囲の気温が一気に下がった気がする。

「私の時も、アイドルの渋谷凛じゃなく、花屋の娘の渋谷凛として、って言ったはずなんだけど」
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/22(月) 11:04:48.53 ID:NDuKW9gF0
「黙ってられるか! 黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって! ふざけんな!」

 声が荒くなる。Pさんを物みたいに扱うのはなんか嫌だけど、Pさんはあたしの物だ!

「わかった。じゃあ奈緒も告白すればいいじゃん」
以下略



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