過去ログ - 「奇奇怪怪、全てを呑み込むこの街で」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 21:08:45.81 ID:B98e+kjh0
此処は、あらゆるもの全てが混沌とした、とある薄暗い街。通称「イサクラ」。
法も秩序も倫理も無く、あるのは欲望のみで御座います。
親は子を売り、子は親を殺し、道端に転がる死肉には、今日も烏どもが舞い降ります。
……おや、そんな街の路地裏で、何やら話し声が聞こえてくるようですよ?

「ひっひっひ……まぁたワシの勝ちじゃな。お主も飽きんのう」

薄汚れたボロ布を羽織った老人は、からからの林檎を片手に、そのしわだらけの顔をにたりと歪ませます。

「クソジジイめ――ほらよ」

黒いマントに、頬に蜥蜴の刺青をした男は、不機嫌そうに酒の入ったボトルをその手から投げました。

「これで5勝0敗じゃのぉ、おぉ弱い弱い」

「うるせえ……次はこいつだ」

男は、懐から見えない「何か」を取り出しました。

「なるほどのぉ……ワシは、赤に賭けよう」

「なら俺は紫だ……行くぜ」

男が手をかざすと、それは炎に包まれ、どこかへ消え去りました。

「さぁて、どこのどいつが拾うかね……」

此処は、欲望が渦巻く街、「イサクラ」。日没と共に、闇は一層勢力を伸ばしていきます。

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2:名無しNIPPER[sage]
2016/03/23(水) 21:10:05.86 ID:gO+FoBO2O
出だしの雰囲気は良いな
機体


3:名無しNIPPER[sage]
2016/03/23(水) 21:14:05.61 ID:SrP+UU+Q0
期待


4:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 21:17:04.19 ID:B98e+kjh0
「なんだろう、これ」

私は歩いている途中、草むらに不思議な石が落ちているのを見つけた。

なにが不思議なのか、と言うと、その石は、その時その時で色が変わるのだ。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 21:26:10.45 ID:B98e+kjh0
この石……仮に「ストーン」とでも呼ぼうか。ストーンについて分かった事がある。

これは、私の感情に呼応して色を変える事が判明した。怒った時には蒼、悲しい時にはオレンジ、と言った風に、私の感情の正反対の印象を持つ色に染まり、私の心を落ち着かせてくれるのだ。

さらに、私の感情が強ければ強いほど、熱を帯びて強く染まる事が分かった。
以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2016/03/23(水) 21:29:21.12 ID:sAR6ijh6O
面白そう、期待


7:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 21:33:57.17 ID:B98e+kjh0
「……はい、ありがとうございます!」

やった! また大きな契約を結ぶことが出来た!

ストーンを手に入れてから、何だか全てが上手くいっている気がする。人からも、「落ち着いてきたね」と言われるようになった。
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 21:40:40.82 ID:B98e+kjh0
「あー、○○さん? 例の件ですけど……ちゃんとやってくれてます?」

「え、あ……何の事でしょうか?」

「だから! 昨日もいったでしょ!? ちゃんと「明日仕上げます」って言ってたじゃないですか!」
以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 21:45:29.67 ID:B98e+kjh0
……ねむい。なんだかとてもねむい。

なんだか、ずっとねてばかりなきがする。

……でんわがうるさいなぁ。
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 21:52:00.11 ID:B98e+kjh0
それからしばらくして、女性の遺体が自宅から発見された。

あまりにも連絡が来ないので、しびれをきらして友人が警察に通報したのである。

部屋は異様なほど汚れておらず、腐臭などの刺激臭も一切しなかったそうだ。まるで今も生きているかのように。
以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 22:18:20.74 ID:B98e+kjh0
「おっ、やっと帰ってきた。さーて、何色かな?」

「おっと、まだウィルオウィスプを消すなよ? 10秒後に消すんじゃ。一気にな」

「はいはい」
以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2016/03/23(水) 22:19:42.33 ID:B98e+kjh0
【一夜目 終わり】


13:名無しNIPPER[sage]
2016/03/23(水) 22:22:13.72 ID:gO+FoBO2O
面白いな


14:名無しNIPPER[sage]
2016/03/23(水) 23:11:12.34 ID:uYwPbMJMO
乙乙


15:名無しNIPPER[saga]
2016/03/24(木) 16:35:16.40 ID:IK0XCEbx0
「……ん、何食ってんだ?」

「ひっひっひ……サラマンダーの黒焼きじゃよ、お主も食うか? 精がつくぞ」

「うげっ……いらねえよ気色悪い、ってかそれ下級のなりそこないじゃねえか」
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/03/24(木) 17:00:51.59 ID:IK0XCEbx0
「おぉ、さすがに賑わってやがる」

「迷子にならんようにのぉ……ひっひっひ」

市場――と言っても、頭に闇が付く――では、所狭しと店が並べられています。山積みにされた果物、山羊の頭骨、謎の肉塊……
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/03/24(木) 17:41:20.20 ID:IK0XCEbx0
「……ん、何だこりゃ」

「ほほぉ……楽しそうな事がありそうじゃのぉ」

異臭をいち早く嗅ぎ取った男は、早歩きで暗い路地を歩きます。進んで行くと、大量の死体が転がっておりました。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/03/24(木) 17:41:58.65 ID:IK0XCEbx0
【二夜目 終わり】


19:名無しNIPPER[sage]
2016/03/24(木) 18:04:34.22 ID:DT2FYGo3O
おつ
すごくいいわ…


20:名無しNIPPER[saga]
2016/03/24(木) 21:47:54.14 ID:IK0XCEbx0
「……おっ、奴隷ショーか」

「ひっひっひ……」

奴隷市を訪れた二人は、奴隷ショーの人だかりを見て、足を止めました。
以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/03/24(木) 21:48:35.83 ID:IK0XCEbx0
【三夜目 終わり】


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