120:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 17:33:08.41 ID:7huFBj350
マナ(さて…… どうしたものかしら?)
その一部始終を目撃し、いままさに加持リョウジの魂がその肉体を離れる直前に立ち会うこととなった少女、【霧島マナ】は右手を頬に当てて軽く首を傾げた。
121:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 17:34:02.64 ID:7huFBj350
戦略自衛隊が少年・少女兵を徴兵していた事実を隠滅するために、陸上軽巡洋艦「トライデント」の1体をN2爆雷で破壊処分した際、彼女は彼【ムサシ・リー・ストラスバーグ】に脱出ポットへと乗せられた。
だが、そのポットが射出された際の衝撃に、既に内臓が駄目になっていた彼女の身体は耐え切ることが出来無かった。
122:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 17:35:36.52 ID:7huFBj350
マナ(あのときはまだ自覚していなかったとはいえ、ムサシには悪いことしちゃったなぁ……)
1人乗り用の脱出ポットに自分を乗せたために、ムサシがトライデント共々N2爆雷で焼き払われることになってしまった。
123:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 17:38:40.44 ID:7huFBj350
既にリリンとしての命は尽きていたから、港で脱出ポットが回収された時点で既に、マナはリリンとしての自分の身体はもう必要無いと思った。
124:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 17:39:46.45 ID:7huFBj350
だからこそ、いま目の前で死に逝こうとしている男の手引きで彼【碇シンジ】と再会し、何時かの再会を約束して別れた後すぐに、彼女は何の躊躇も無く自らの意思で自身のリリンとしての身体をLCLへと還した。
精神(魂)だけの存在となり、いまだ覚醒しない碇シンジに関わるリリン達を動向を、使徒にもリリンにも属さない中立の立場で傍観する者となるために。
125:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:03:04.64 ID:7huFBj350
凶弾に倒れた加持の遺体を、数名の黒服の男達が黒塗りの車のトランクへと詰めこみはじめた。
彼の遺体はそのまま処理場へと運ばれ、遺棄されたその場所で人知れず土へと還ることになる。
126:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:04:27.85 ID:7huFBj350
マナ(あとはどのタイミングで、この人を彼女に渡すべきかしら……?)
魂をこの世界に定着させたとはいえ、彼は既に死んだ人間であり、その恋人の彼女【葛城ミサト】はいまを生きている人間である。
127:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:05:42.66 ID:7huFBj350
だが、それが分かっていてもマナにはそれを阻止するつもりも、その事実をNERVの関係者に伝えるつもりも無い。
128:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:07:05.26 ID:7huFBj350
《site : 渚カヲル》
カヲル(僕は何故、こんなことをしたのだろう……?)
129:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:08:16.70 ID:7huFBj350
カヲル(もう間も無く、おそらくサード・インパクトが始まる…… それならば、この彼女の魂も、溶け合うリリン達の中へと還した方が良いのかな?)
此処NERVのジオフロントの外で、自身の素体を使用したダミー・プラグにより9体の量産型EVAが活動を始めたことを、カヲルは感じ取っていた。
130:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:08:55.24 ID:7huFBj350
彼等は本当に、気がついていないのだろうか?
その先に待ち受ける未来は、種としての滅亡でしか無いという事実に。
131:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:09:59.07 ID:7huFBj350
カヲル(気がついていても、既に後戻りの出来ない状況なのか……)
NERVの司令の方はよくわからないが、SEELEの老人達の方は結構、強引な無理押しを行っていたようであった。
132:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:11:02.74 ID:7huFBj350
マナ「こんなところに、先客がいるとは思わなかったわ……」
カヲル(っ!?)
133:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:12:28.83 ID:7huFBj350
何時から其処に居たのだろうか?
自分と同じように手の中にひとつの宝珠を持つ少女が、鼻先が触れ合う程ぎりぎりの処からカヲルに対して微笑みを向けていた。
134:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:13:14.38 ID:7huFBj350
マナ「あら? 貴方“も”アダムなのね……」
カヲル「……綾波レイ…じゃないよね? 君“も”リリスなのかい?」
135:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:16:54.76 ID:7huFBj350
カヲル「……君はいったい、何をしに此処に来たんだい?」
マナ「……最初はこの人の魂を、恋人であるその人の魂のもとに連れて来てあげるだけのつもりだったんだけどね…………」
136:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:18:25.59 ID:7huFBj350
マナ「はじまったわね……」
カヲル「そうみたいだね……」
137:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:19:38.38 ID:7huFBj350
カヲル「……これから君は、いったいどうするつもりなんだい?」
マナ「……おそらく、貴方がしようとしていることと同じよ」
138:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:20:21.67 ID:7huFBj350
それは闇の王と闇の女王が互いに互いの手を取り合い、不完全な自分達の力を完全に取り戻すそのために、リリン達の発動させた不完全なサード・インパクトへとその魂を介入させたことを意味していた。
139:名無しNIPPER[saga]
2016/04/11(月) 18:22:09.57 ID:7huFBj350
>>1 とりあえず、ここまで。
あと5人(?)ほど視点を変えて、設定回収ストーリーが続く予定です。
140:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/30(土) 15:22:03.66 ID:7IQD6A9K0
某所に投稿する形に変更したので、本スレはhtml化依頼を出します。
この続きが気になるというような酔狂な方がいましたら、タイトル名『愚者達の断罪の狂宴』でググってみてください。
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