過去ログ - 【モバマスSS】香水 あるプロデューサーの物語
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46:名無しNIPPER[saga]
2016/03/29(火) 22:19:16.11 ID:stipOQWj0
 美城常務は沈思している。西門製薬の紐付きだと考え直すことによって、この男は切れないと判断するだろう。
 それもそうだ。西門製薬は346の筆頭スポンサーなのだから、その紐付きの慶に不埒な真似はできない。
 もし慶を解雇したとしても、不当解雇だと主張されたら346と西門製薬の関係は気まずくなるだろう。万が一、西門製薬が346から手を引くということになれば、融資を受けている銀行からも、猜疑の目で見られかねない。

 慶は内心でほくそ笑んだ。毎日株価を検めていれば、おのずとわかることだが、346プロダクションの株価は微妙に下降気味なのだ。常務の改革によって路線変更し、成功を収めたプロジェクトもあるが、逆に急ブレーキがかかってしまったケースもある。
 
 今の世の中は、アイドル戦国時代と言っても良い。多くの芸能プロダクションが簇生するなか、315プロダクションのようなライバル会社も台頭しているのだから、美城常務にも焦燥が無いはずがない。
 資本主義が蔓延して久しいこの世界で、346が広告塔として使えなければ、西門もあっさり手を引くだろう。
 ディケンズの「大いなる遺産」ではないのだから、江湖のスポンサーの全てが、マグウィッチのような者ではないことを美城常務は理解しているはずだ。
 いや、思い違いと言う点では、ミス・ハヴィシャムかもしれないが。



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