過去ログ - 【モバマスSS】香水 あるプロデューサーの物語
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92:名無しNIPPER[saga]
2016/04/05(火) 19:34:01.28 ID:yG+egbPm0
 アメリカから帰国した後、346のアイドル事業部の舵取りをすることになったわけだが、自分は思い切った方針転換を行ったと、美城常務は思った。
 346の社内を視察して、真っ先に目についたのが、社内の中世的停滞だったからだ。
 働いている者の殆どに、346は老舗で大手だから大丈夫だという楽観があった。
 このままでは、数年後には他のプロダクションに追い抜かれる。そう感じた美城常務は、自分が憎まれ役になろうとも、社内に蔓延る弊風を一掃する覚悟を決めた。

以下略



93:名無しNIPPER[saga]
2016/04/05(火) 19:35:08.68 ID:yG+egbPm0
 その点では、西門慶という男は恰好の標的だった。彼の弱みを握り、それを梃子に西門製薬を揺さぶることができれば、後はどうにでもなる。
 今までは、西門慶を泳がせておき、尻尾を出すのを待っていた。その策略の一環として、清川武大の退職という茶番を演じ、清川を社外へ放逐したのだが、これが見事に奏功した。  
 そして、社外に出た清川を密偵に仕立て上げ、西門慶を監視させる。
 清川には、346の関連会社役員のポストという餌をちらつかせたのだが、どうやら彼はいままで爪を隠していたらしい。清川は、美城の御庭番の如き活躍を見せた。

以下略



94:名無しNIPPER[saga]
2016/04/05(火) 19:36:10.39 ID:yG+egbPm0
 一方で、西門慶を惜しむ気持ちも無いわけではない。彼はプロデューサーとして、優れた才腕をもっていたし、余計なことを考えなければ、これからも346の戦力として利用するつもりだった。
 しかし、このあたりが潮時だと美城常務は悟った。
 346という鯱が、西門製薬という鯨を食うためにも、彼には精々撒き餌になってもらおう。

 蜚鳥尽きて良弓蔵せられ、狡兎死して走狗煮らる、とはこういうことだろうか。
以下略



95:名無しNIPPER[saga]
2016/04/05(火) 19:36:59.82 ID:yG+egbPm0
 美城常務は、壁際の置時計に目をやった。
 
 時計の針は、既に十二時を過ぎている。


以下略



96:名無しNIPPER[saga]
2016/04/05(火) 19:38:30.35 ID:yG+egbPm0
拙い文章でしたが、お読みいただきありがとうございました。


97:名無しNIPPER[sage]
2016/04/05(火) 20:10:47.41 ID:O8KIi6Ajo
いやいやいやいや、ここからだろ?
何の冗談よ?


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