104:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:29:43.44 ID:bdsiqCIlo
「とりあえず、わたしは出かけなきゃだから、何かあったら連絡してね」
「うい」
105:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:30:16.14 ID:bdsiqCIlo
そして静奈姉が行ってしまうと、一気に身体が重たくなった。
頭がぼんやりしてきたし、妙な寒気がする。
いくらなんでも、いきなりこんなに弱るもんだろうか。
106:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:33:40.86 ID:bdsiqCIlo
蝉の声が聞こえる。
「……夏、なんだよなあ」
107:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:34:50.15 ID:bdsiqCIlo
◇
ひさしぶりに夢を見た。
108:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:35:33.27 ID:bdsiqCIlo
雨に濡れた猫は、その猫の、子供だった。
まだ、生きていた頃、猫が産んだ子供だった。
黒い猫だった。
109:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:36:41.31 ID:bdsiqCIlo
きっと、俺が言おうとすることなんて、全部代償行為だ。
全部が全部つじつま合わせだ。
何もできなかった過去を帳消しにしたいがための、
110:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:37:40.33 ID:bdsiqCIlo
◇
意識が、かすかな頭痛と一緒に浮上して、夢の中身は、すぐに思い出せなくなった。
気だるさはいくらか取れていた。
111:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:38:21.26 ID:bdsiqCIlo
「……というと?」
「目をさましたら、そばにるーがいたこと」
112:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:38:59.72 ID:bdsiqCIlo
「なんか、いつもと違う」
「……私服だから、じゃないですか?」
113:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:39:30.09 ID:bdsiqCIlo
「……ごめんな。休みの初日から、こんなことで来ることなかったのにな」
「べつに、それはかまわないんです」
114:名無しNIPPER[saga]
2016/04/21(木) 00:40:09.48 ID:bdsiqCIlo
部屋に耳鳴りのような静寂が戻る。
俺は少し後悔した。
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