357:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:44:44.43 ID:Fxr7uh8Eo
「……先輩」
振り返ると、柚原志乃は、たしかに俺をじっと見据えていた。
358:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:45:42.91 ID:Fxr7uh8Eo
「じゃあ、なんなんですか?」
真剣な顔で、彼女はそう訊ねてきた。
どう答えるべきか、少し考える。
359:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:46:38.04 ID:Fxr7uh8Eo
「……俺のおかげで、がんばってこれたんだ、って、そう言われたんだ」
柚原志乃は、何も言わずに続きを待つ。だから俺も、言葉を続ける。
360:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:47:08.89 ID:Fxr7uh8Eo
◇
嘉山を経由して嵯峨野連理から連絡があったのは、夏休みも半ばを過ぎた頃だった。
361:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:48:24.13 ID:Fxr7uh8Eo
◇
「たっくん! 緊急事態です!」
362:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:48:50.63 ID:Fxr7uh8Eo
嘉山がわざとらしく溜め息をつく。
「……おまえら、準備悪すぎだろ」
363:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:49:46.93 ID:Fxr7uh8Eo
少しの沈黙のあと、俺はなぜだか笑ってしまった。
「……いや、バカだろ。なんだそれ」
364:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:50:41.62 ID:Fxr7uh8Eo
「来年だ! 来年の文化祭にしよう。そうだよ、それがいい」
その言葉に、みんなが顔を見合わせた。
365:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:51:10.43 ID:Fxr7uh8Eo
◇
「リベンジマッチ」を部長が提案したのは、八月のある日のことだった。
366:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:51:41.08 ID:Fxr7uh8Eo
◇
近くの商店街で夏祭りがあるから、と言って、俺とるーはふたりで遊びにいく約束をした。
367:名無しNIPPER[saga]
2016/05/17(火) 23:52:07.31 ID:Fxr7uh8Eo
喧騒と人混みにまぎれて、俺達は手を繋いで歩いた。
お互いの声すら聴き取りづらい流れの中で、俺達は話す内容すらろくに思いつけずに、ただ出店を見て回る。
「なんか……」
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