過去ログ - 理樹「欲望という名の電車の座席」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/05/02(月) 20:53:16.57 ID:i9lAYUf80
理樹(僕らリトルバスターズの5人は電車の中で疲れ果てていた。久々に初期メンバーだけで街へ行ったのでつい子供の時の無邪気さを思い出してしまったのだ)
理樹(それはそれで楽しかったが身体の方は昔とは違う。無限に溢れ出るガソリンのような元気はもう残っていなかった)
真人「はぁぁ……もう走れねえ…眠い…」
謙吾「とはいえ学校はまだここから30分はあるぞ…座る席があればそのまま少し仮眠を取れただろうが…」
理樹(謙吾は歯切れが悪そうに言葉を中断した。それもそのはず、今この車両の中で座れそうなスペースは絶妙にも僕らの目の前にある一人分しか残されていなかったからだ)
恭介「………………」
鈴「ふああぁ……」
理樹(おそらく全員の疲労は限界まで達しているだろう。誰もがこの30分の間ただ突っ立っているままだなんて考えられないはず。しかしこの状況から抜け出せるチケットは1枚だけ。他の4人は必ず譲らなければならない)
理樹(今、10年来の友情が試されようとしている)
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/05/02(月) 21:06:18.32 ID:i9lAYUf80
理樹(そもそも席を獲得するには条件が悪かった。というのも座席の両隣の人間がどちらも曲者だったからだ)
「〜〜♪」
「zzz……」
3:名無しNIPPER[saga]
2016/05/02(月) 21:19:34.83 ID:i9lAYUf80
鈴「ん?誰も座らないならあたしが座るぞ」
理樹(張り詰めた緊張感の中、鈴がこちら側を一瞥して言った。そういえば鈴はこういう空気は読めないタイプだった)
理樹「あっ、ちょっと待って!」
4:名無しNIPPER[saga]
2016/05/02(月) 21:28:04.84 ID:i9lAYUf80
理樹(鈴は嬉々として背負ってあったリュックからまだビニールも破っていない写真集を取り出した。いつもならお行儀が悪いので帰るまでは見てはいけないルールだったが、たった今その薄い透明の皮と共に破られる時が来た)
鈴「ねこねこ……♪」
理樹(それで眠気と疲れが吹っ飛んだのか鈴は座席の隣で壁にもたれて本を眺め出した。とりあえず目的の駅に着くまで鈴が敵になる事はないだろう。恭介と僕は心の中で握手を交わした)
5:名無しNIPPER[saga]
2016/05/02(月) 21:43:19.66 ID:i9lAYUf80
謙吾「だからお前らは座らないのかと訊いたんだ。一人分しかなさそうだが」
理樹(気でも狂ったのか謙吾は。そんな自分からチャンスを棒に振るような台詞は正に自殺行為じゃないか!)
理樹(もしかして謙吾は本気で自分は遠慮して僕らに席を開け渡そうと?いいや、あり得るはずがない。先ほど鈴が座ろうとした時に見せた焦りの表情は本物だったはずだ。なら何故………)
6:名無しNIPPER[sage]
2016/05/02(月) 23:14:21.01 ID:Dk7Z9UzBO
いつもここでリトバスSS書いてる人?
7:名無しNIPPER[sage]
2016/05/03(火) 00:34:57.68 ID:5V+nyjK+o
やっと来たか!
8:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 20:53:26.73 ID:lU9U+GUx0
あたぼうよ!再開
9:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 21:10:17.03 ID:lU9U+GUx0
理樹(『鈴でさえ立っているから』これはシートと謙吾の間に大きな壁を作り出した。鈴本人は会話より本に夢中だったおかげで座って本を読むという考えは起きていない。それより重要なのは男としてのプライドを人一倍持つ謙吾の抑制に成功した事だ。謙吾の性格を利用した上手い一言。この時ばかりは真人の筋肉にキスしたくなった)
謙吾「ぐ………そ、そうだな…」
理樹(これでまたスタート地点に戻った。僕もそろそろのんびりしていられない。ここは何としてでも絶妙に座れる方法を思いつかなくては!)
10:名無しNIPPER[saga]
2016/05/03(火) 21:20:05.20 ID:lU9U+GUx0
真人「………………」
パラ……
「「「!!」」」
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