過去ログ - 高森藍子「菜々さんへの誕生日プレゼントが思いつかない……」
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21:名無しNIPPER[saga]
2016/05/15(日) 22:10:36.59 ID:5maGnF/Q0
(じ……じゅうななさいっ!)

心の中で叫ぶだけに留めた自分を藍子は心の底から賞賛した。まかり間違って口に出していたら不審どころの騒ぎではない。下手すると菜々ともどもアイドルバレした挙句にウサミン星人=成人説が生まれてしまう。いや藍子が気遣わずとも既にバレバレなのかもしれないが、そこは、ほら、本人が隠しているのだから。そう、隠しているのだから"知っている"藍子も隠さなければならない。決して言い訳ではなくそれが正解なのだ。たぶん。

……ぐるぐると思考が沼に沈んでいく間に、菜々が一歩を踏み出した。
おそる、おそる。
足を進めるごとに顔の汗が倍増になっていく。
やがて引きつった顔にヤバげな笑みが浮かび上がり、ついにはゲヒヒゲヒヒと悪役のような声まで漏れ落ちるようになって――

「な、菜々さんっ、奇遇ですね!」
「ひゃいっ!?」

その辺りが藍子の限界だった。



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