過去ログ - 高森藍子「菜々さんへの誕生日プレゼントが思いつかない……」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:11:27.07 ID:5maGnF/Q0
「なななななななナナはななななな……って藍子ちゃん!?」
「はいっ、藍子です!」
「へ? なんでここに――」
「奇遇ですね!」
「き、奇遇、ですね……?」
以下略
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:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:12:17.66 ID:5maGnF/Q0
ウサミントリビアによると、ウサミン星の1年は地球での10年に匹敵するらしい。
今、この瞬間。
菜々にとっては10秒くらいだったのかもしれないが、藍子にとっては1時間くらい見られていたように感じた。
案外、作り話ではないのかもしれない。ウサミントリビア。
以下略
24
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:13:08.18 ID:5maGnF/Q0
――5月14日――
「あの、加蓮ちゃん。これ、返しますね」
「もういいんだ?」
「はいっ」
以下略
25
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:13:56.56 ID:5maGnF/Q0
加蓮の目つきは真剣そのものだった。
サスペンスドラマで探偵による推理ショーを見せられている犯人役の気分だ。
ドラマでは、探偵が「犯人はあなたです!」と言った後で、犯人がそれを認めて項垂れる。
現実では――
以下略
26
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:14:46.56 ID:5maGnF/Q0
「……なんで泣きそうな顔してんの?」
「それは――って、私、泣きそうな顔、してました?」
「うん。私が止めなかったら5秒後くらいに泣いてたかな? ってくらいの顔」
1つずつやり取りをしていくうちに頭が冷えていく。一区切りついた後にソファに促され、素直に座ったら「飲み物とってくるねー」と加蓮が立ち去った。
以下略
27
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:15:36.63 ID:5maGnF/Q0
グラスを手渡される。無言で軽く頷いて、受け取る。
「乾杯っ♪ ……甘ぁい。もー、変な藍子。何を思い詰めてんだか」
「……いつの間にか、ちょっと考えすぎてたのかもしれません」
「たかが誕生日プレゼントなのに?」
以下略
28
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:16:26.58 ID:5maGnF/Q0
「で、何に悩んでるの?」
「へ? それは、菜々さんの誕生日プレゼントを」
「そうじゃなくて。聞き方が悪いのかなぁ……。なんでそんなに悩んでるの? って聞きたかったってゆーか」
「菜々さんに贈るプレゼントがなかなか決まらなくてっ」
「違うってーの……。ああもうっ、じゃあもうちょっとぶっちゃけるね。なんでそんなに、しんどそうな顔して悩んでるの?」
以下略
29
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:17:16.79 ID:5maGnF/Q0
「あ、あれっ、あれもバレていたんですか!?」
「あー……菜々ちゃんにはバレてないかな? うん、たぶん」
「そんなぁ……」
ようやく膝に力が入って立ち上がれそうだったのに、またへなへなと腰が抜けてしまう。
以下略
30
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:18:06.43 ID:5maGnF/Q0
芝居じみた口調に首を縦にも横にも振れないでいるうちに、ぽすり、と加蓮が藍子の隣に腰掛け直した。
ソファが軽くへこむ。ずり落ちそうになって背もたれへと手を伸ばすと、加蓮がその手を掴んでくれる。
よいせっ、と引き上げてくれようとした……のだろうけれど、引っ張られる力はあまりに弱く、加蓮を巻き込んで床に転がり落ちそうになった。
なんとか全身で踏ん張って起き上がる。加蓮と目が合う。やや気まずそうな吐息に、つられて下唇が少し曲がってしまう。
以下略
31
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:18:56.51 ID:5maGnF/Q0
「あははっ、ごめんごめん」
思考がぷつりと途切れた藍子へと、加蓮はおどけて頭を下げて見せた。
「知ってるよ。藍子が真剣だってことくらい。藍子は他人想いだもんねー。自分のことしか考えてない私とは大違い。いーなー」
以下略
32
:
名無しNIPPER
[saga]
2016/05/15(日) 22:19:46.72 ID:5maGnF/Q0
「ねー藍子。私さ、ちょっと困ってるんだ」
「……加蓮ちゃんがですか?」
「加蓮ちゃんもです。…………」
「……?」
「や、……いや、前言撤回……。ちょっと今自分で言おうとしたことがヤバイくらいクサいって気付いて……。えーと、あ、そうだ。あのねー、実はここ数日くらい寝ると変な夢ばっかり見てさー。今日、藍子の家に泊まりにいっていい?」
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