過去ログ - 藤原肇「ハローグッドナイト」
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22:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:48:09.85 ID:cJnO2bq10

「星、見えるか?」

「今日は絶好の星見日和ですね」

以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:48:48.77 ID:cJnO2bq10

そうかなぁ、って、とぼける人のせいで、どんどん口が動く。

この時間が、ただただ楽しい。

以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:50:59.74 ID:cJnO2bq10

「また行きたいな、岡山に」

「今度はPさんも一緒に。両親もおじいちゃんもきっと喜びます」

以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:53:23.45 ID:cJnO2bq10

「なにかあれば彼を頼りなさい」

実家の工房で、こちらを振り返ることなく作業を続けながら言ったおじいちゃんの言葉は、私だけじゃなく、Pさんも認められているんだってわかってすごく嬉しかったけど、頑固が地面に根を張っているような人をどうやって説得したんだろう。

以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:55:24.42 ID:cJnO2bq10

「ふたりでまた星を見ましょう。それから釣りもして、もちろん陶芸も」

「よくばりだな」

以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:56:08.40 ID:cJnO2bq10

話し始めてどれくらいたったんだろう。

どこかに行っていた眠気がいつの間にかゆっくりとこっちに近づいてきて、瞼をほんの少しだけ重くする。

以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:57:02.78 ID:cJnO2bq10

ぐだぐだと葛藤していると、光の糸が目の前をななめに走っていった。
そのあと、電話のむこうから「ながれ星だ」と聞こえてきて、違う場所にいても同じ空を見ているんだって、こんな当たり前のことを単純に嬉しいって感じる。

「また流れた」
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:57:50.19 ID:cJnO2bq10

「肇は星にどんなことを願ったんだ?」

「私ですか?」

以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:58:42.13 ID:cJnO2bq10

「私は」

そう口にしたけど、次の言葉は呼吸と一緒にお腹の中に戻した。

以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2016/05/22(日) 12:59:30.05 ID:cJnO2bq10

私が祈りを捧げているのは、私が願いを込めるのは、神様でも、空にきらめく星でもなく、あなたです、なんて。

恥ずかしいからとかそういうのじゃなくて、なんとなく秘密にしておこうかな。



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