過去ログ - 【キズナイーバーSS】 「仄かに薄れて消えるる私は」
1- 20
12: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:18:36.69 ID:8pdSuCqxo

 私には、欲しいものなんてそのころ一つもなかったけれど、
そういう子――不治の病にかかった子供たちがどういうものを欲しがるのかなら、想像することができた。

 お父さんやお母さんの気持ちを想像するのと同じだった。
以下略



13: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:30:14.93 ID:8pdSuCqxo

 発作のとき、苦しくて、苦しくて、苦しくてたまらなくなって、身体はなんだか私の身体じゃないみたいになる。

 私の身体じゃないなら、私の望み通りになって欲しい、と考えるのはおかしい。

以下略



14: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 21:58:27.68 ID:8pdSuCqxo

 だけど私は穂乃香と出会った。

 穂乃香とはじまった。

以下略



15: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:00:27.52 ID:8pdSuCqxo

 私たちはいっぱい漫画の取材をした。

 作品の中の彼女達がしそうなことを、一通りこなしていった。

以下略



16: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:03:46.13 ID:8pdSuCqxo

 ありふれた人間模様の一環だった。

 だけど私は首を傾げた。

以下略



17: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:07:28.76 ID:8pdSuCqxo

 「ナイスキャッチ」
 「もう、投げないでよぉ、牧ぃ」
 「ごめんごめん」

以下略



18: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:08:52.19 ID:8pdSuCqxo

 「楽しいわね」

 ぽつりと穂乃香が言った。

以下略



19: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:10:19.52 ID:8pdSuCqxo

 「瑠々が、この世界に生まれてきてくれて、ありがとう……かな?」

 真面目な顔。その直後、ぶふっ、と彼女は噴き出した。満面の笑顔だった。

以下略



20: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:12:03.84 ID:8pdSuCqxo

 落ち着け、落ち着け、落ち着け、私。

 ――生まれてきてくれて、ありがとう。

以下略



21: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:13:14.83 ID:8pdSuCqxo

 「ヘーキ。なんでもないから」

 見ないでよ。そんなに綺麗な目で。

以下略



22: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/05/26(木) 22:17:21.69 ID:8pdSuCqxo

 「あぁ、何やってんの!」

 素早く屈んだ穂乃香が缶を握った。私はそれを見下ろした。それから目をつむった。

以下略



68Res/36.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice