128:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:24:11.31 ID:49W9hqJ1o
◇ ◇ ◇
宮本「楓ちゃーん、ちょっと来てー」
129:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:25:02.16 ID:49W9hqJ1o
楓「智絵里さん、今お時間大丈夫ですか?」
智絵里「…………」
楓「智絵里さん?」
130:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:25:48.77 ID:49W9hqJ1o
楓「いやいや、待ってください。これはさすがに私には荷が重すぎます。所長はともかく、社長って」
智絵里は困ったように、「私に言われても……」という顔をした。
そしてタイミングを計ったように楓のIDOLからコールが鳴った。
131:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:26:23.47 ID:49W9hqJ1o
楓「もうめちゃくちゃじゃないですか」
志希【そそ。だから楓ちゃん、頑張って社長を捕まえてねー】
楓「見つからなかったら?」
132:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:27:05.86 ID:49W9hqJ1o
普通に考えて、社長の行方を社員が誰一人として知らないのはありえない。
とりあえず役員と呼ばれる人たちに当たってみればヒントは得られるはずである。
ところが。
渋谷「社長がどこにいるかって?そんなこと俺に聞かれてもなあ」
133:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:27:51.34 ID:49W9hqJ1o
楓は次に社長室を探した。
しかし、この会社に勤め始めて数年、そんな部屋があるとは聞いたこともない。
とりあえず、駄目元で総務部に居る人たちに尋ねてみた。
まゆ「社長室?そんな部屋ありましたかぁ?」
134:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:28:40.66 ID:49W9hqJ1o
……約束の場所は、都心一等地にそびえ建つ高層ビルの最上階だった。
何かの間違いであることを祈りながら、楓はエレベータに乗って上を目指した。
到着すると、そのフロアにはまったく人の気配がなかった。
135:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:31:09.43 ID:49W9hqJ1o
楓は飛鳥に促されるままソファに座った。
そこから見える夜景をぼんやり見下ろしながら、楓は口を開いた。
楓「私は池袋博士とこれから対談する予定なんですが」
136:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:31:56.25 ID:49W9hqJ1o
飛鳥「まあ、そんな事は今はどうでもいい。キミはボクに何か聞きたいことがあるんじゃないのかい?」
楓「聞きたいこと……?」
楓は用意してきた資料を思い出した。
137:名無しNIPPER[saga]
2016/06/01(水) 11:33:32.71 ID:49W9hqJ1o
飛鳥「自分たちの記憶を書き換えたのさ。軍用ドールはローカルな共感覚空間でお互いに繋がってた。自分たちの脳を弄るくらいわけなかった。なにせボクたちは時に人間よりずっと頭が良かったからね。人間としてのニセの記憶を構築し、ドールという本当の記憶に鍵をかけ、より人間らしく社会に溶け込めるようにボクたちは工夫した。幸いなことに、軍用ドールは見た目は質感においては人間と区別がつかなかった。ちなみに今の民間用ドールは人間とドールを区別しやすくするために、わざと体温を失くしているんだよ。
飛鳥「さて、そうして生き残った軍用ドールたちは果たして誰にもバレることなく人間社会で暮らせるようになった。自分たちを人間だと思い込むことでね。でも、この方法には一つ、欠点があった。
飛鳥「さっきも言ったけれど、軍用ドールは非常にスペックが高いんだ。普通に生きていく分には必要がないくらい、色々な機能が備わっている。それはつまり、恒久的な使用を前提としていないからなんだね。オーバースペックによる負荷は記憶を書き換えることで封印していたけれど、元々設定されていた寿命には逆らえなかった。
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