38:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:30:58.99 ID:6D4QUdRpo
蘭子「いー!」ニコニコ。
楓「笑ってる……」
美優「知りませんでした?いつの間にか表情まで付くようになったんですよ」
39:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:31:32.79 ID:6D4QUdRpo
それから二週間も経つと、蘭子の手足は鎖から解き放たれたように自由に動かせるようになっていた。
力は弱いが、物を掴んだり、走ったりすることもできる。
一応、例の自己防衛と危険感知のオプションは付けたままだが、傍目にも無茶に動いている様子を見ると、それが十分な機能を発揮しているかは疑問であった。
そのため、美優は以前にも増して蘭子に付きっきりで世話をするようになった。
40:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:32:22.18 ID:6D4QUdRpo
◇ ◇ ◇
美優「楓さん、ちょっと相談があるんですが」
ある休日のことである。
41:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:33:00.84 ID:6D4QUdRpo
美優「それは、できればそうしたいですけど……蘭子ちゃんがいますし」
蘭子には戸籍がないのでパスポートも作れない。
そもそも、現在この国ではドールに関する法がまだ整備されきっておらず、ドールを連れて外出するのでさえ協会に申請しなければならないと説明したのは楓である。
ちなみに協会とは全国ドール協会のこと。登録した時に同時に入会することになっている各メーカー協賛組織である。
42:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:33:41.26 ID:6D4QUdRpo
美優「蘭子ちゃんを独りで放っておくわけにはいきません」
悩んだ末、美優はきっぱりと言った。
美優「おかげさまでIDOLの使い方も少し覚えましたし、翻訳機があればなんとかなるかと思います。それに、いざとなったら楓さんに連絡しますし」
43:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:34:35.57 ID:6D4QUdRpo
◇ ◇ ◇
美優が海外に行っている間も日中は事務所に居なければならない楓だったが、半休を取るなどしてなるべく蘭子の面倒をみるようにしていた。
44:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:35:24.64 ID:6D4QUdRpo
楓の隣にはもう1人、面接官がいる。
しかし彼は彼で妙に緊張していてさきほどから一言もしゃべらない。
無理もない。
そもそも、まだ会社に入って1年に満たない新人の彼がなぜ面接官をやっているのか。
45:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:36:00.05 ID:6D4QUdRpo
楓「というかよく見たら履歴書にだいたい書いてありましたね」
美波「…………」
美波の志望動機は、要約すると「たくさん持ってる資格を活かしたい」という事だった。
46:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:36:44.34 ID:6D4QUdRpo
楓「すごいですね。大会で準優勝したんですか。私なんてスポーツはめっきりで……武内くんはスポーツとかやるんですか?」
武内「自分ですか!? い、いえ自分はそんな運動はあまり……」
楓「でもすごくガタイが良いですよね。レスリングとかやってそうな……あ」
47:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:37:19.51 ID:6D4QUdRpo
楓「具体的な事業内容、ですか……」
今度は楓が困り果てる番だった。
楓「難しいですねえ。そういえば武内くんは普段どんな仕事をしてるんですか?」
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