47:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:37:19.51 ID:6D4QUdRpo
楓「具体的な事業内容、ですか……」
今度は楓が困り果てる番だった。
楓「難しいですねえ。そういえば武内くんは普段どんな仕事をしてるんですか?」
48:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:37:59.33 ID:6D4QUdRpo
楓「私の場合は……例えば演劇をやったりします」
美波「え、演劇?演劇というのは、その、お芝居の演劇ですか?」
楓「その演劇です。最近だと、こんなお話を演じてますね」
49:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:38:48.24 ID:6D4QUdRpo
美波はもう帰りたいと思ったが、楓がなにやら少し考えるように下を向いて黙ったので、とりあえず何か言い出すのを待っていた。
楓「……ああ!ありました、まともそうな仕事が」
美波と武内くんが身を乗り出した。
50:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:39:41.16 ID:6D4QUdRpo
美波「エンジニアとしての技術力が必要ということでしょうか」
楓「それももちろん必要ですが、この仕事においてもっとも重要なのはセンスです。ダイビングに長けているのなら分かると思いますが、ネットの深層に潜れば潜るほど共感覚のフィードバックが増えて自我領域の安定が難しくなりますよね?」
美波「はい」
51:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:40:28.93 ID:6D4QUdRpo
分かったような分からないような、いや、やっぱり分からない、と美波は思った。
美波「……あの、もう一つ質問よろしいでしょうか」
楓「はい?」
52:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:41:01.96 ID:6D4QUdRpo
楓はふと時計を見て、予定の時間を過ぎていることに気づいた。
楓「……というわけで面接は以上になります。合否は後日、メールにてお伝えしますね」
美波「……ありがとうございました」
53:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:41:55.67 ID:6D4QUdRpo
この日の面接は1件だけだったので、楓は報告書を宮本先輩に提出すると半休の申請をして午後はすぐに帰宅した。
家に着くと、蘭子は相変わらずテレビにかじりついていた。
楓「ただいまー」
54:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:42:57.69 ID:6D4QUdRpo
実際、食事をする必要はないのだが、だからと言って食べる機能が無いわけではない。
蘭子に自我が芽生え始め、意思を持つのがはっきりしてくると、楓たちは蘭子を放っておいて2人だけで食べるのが心苦しくなった。
基本的にドールは人間の真似をしたがるのだ。
55:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:47:24.01 ID:6D4QUdRpo
蘭子は食べ終わると「ごちそうさまでした」と言って皿を台所の流しに置いた。
こういう簡単な素行のよさは美優の影響が大きい。
蘭子「めいるしゅとろむ!」ぶしゃー
56:名無しNIPPER[saga]
2016/05/31(火) 21:48:06.19 ID:6D4QUdRpo
蘭子「ふっふっふ、わがなはぶりゅんひるで! いまこそせかいをわがてに!」
楓「おお、女神様よ。なぜそのような邪悪なお姿に」
楓はエプロンを後ろに回してマントにした。即興にしては気が利いている。
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