過去ログ - 「二宮飛鳥は孤独を忘れてしまった」
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1: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/04(土) 22:44:18.60 ID://1N5xrh0
二宮飛鳥は孤独を忘れてしまった。
偶像となることを選んだその瞬間から、観測者を得て、同じ志を持つ仲間を得て、気の置けない友人を得た。
レッスンの時にはトレーナーが厳しくも優しく指導してくれた。
ステージでは、まだ駆け出しのボクの輝きにも、魅せられてくれるファンの姿があった。
そうして緩やかに、ボクはその寒さを忘却の彼方へ押し流してきたのだ。
―――故に。
「……寂しいなんて、そんなこと。昔は思わなかったのにな」
望まぬ独りの時間に心を蝕まれる程には、弱くなってしまっていた。
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2: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/04(土) 22:46:12.09 ID://1N5xrh0
「大雨による落雷の影響で、ーー線は現在運行を見合わせており……」
事務所と寮の、ちょうど真ん中。
昼過ぎからぐずついていた天気は夕方頃に決壊し、用事のない人からこれ以上ひどくなる前に帰宅するよう指示が出た。
3: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/04(土) 22:48:08.52 ID://1N5xrh0
ポケットの中の携帯電話が震える。
見れば、メールが一件。プロデューサーからだ。
『さっき以上に雨が酷くなってる上に、電車が止まったって聞いたが、そっちは大丈夫か?』
4: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/04(土) 22:50:14.46 ID://1N5xrh0
仕方ない、仕方ないんだ。
プロデューサーだってボクだけにずっと構っているわけにもいかない。
それこそ、他のアイドルたちのことも対応しなきゃいけないのだから。
5: ◆kiHkJAZmtqg7[saga]
2016/06/04(土) 22:52:30.71 ID://1N5xrh0
「……落ち着いたか?」
「うん。……恥ずかしいところ見せてしまったね、プロデューサー。」
「いいんだよ。そーゆーのを全部受け止めるのが、俺の役目だ。……っと、みんなを待たせちまうな。行くぞ、飛鳥」
6: ◆kiHkJAZmtqg7[sage]
2016/06/04(土) 22:55:41.81 ID://1N5xrh0
ss初投稿でした。さくさくっと読める感じに寂しがりや風味な飛鳥妄想を。
最初の方で改行をしくじってたり不慣れな部分も多いですが、ちょっとでも楽しんでいただけていれば幸いです。
7:名無しNIPPER[sage]
2016/06/04(土) 23:04:37.28 ID:F9JNjd8+0
乙、です〜
8:名無しNIPPER[sage]
2016/06/05(日) 01:22:00.32 ID:KxmYzvSVO
よろしい
9:名無しNIPPER[sage]
2016/06/05(日) 20:20:20.24 ID:T9A0+n5So
乙!
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