10:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:48:45.16 ID:sf9XWsg90
「Pさんもいないし、ツバメも去って行った。もう、ここにいる理由もなくなっちゃったなぁって思いまして」
「……」
「そんな顔しないで下さいよ。巣立ちは良いことです。ね?」
11:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:49:39.55 ID:sf9XWsg90
「結構悩みましたね」
「しょうがないじゃないですか、こんな魅力的な提案」
「そうですね。昔はPさんの方から誘ってきましたものね」
12:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:51:26.18 ID:sf9XWsg90
シャワーを浴びる彼を待ちながら、何気なく部屋を見渡す。
よく見たらいろんなところに思い出が散らばっている、学生時代から8年間過ごした部屋。
朝まで一緒にお酒飲んで、就職先でうまくいかなくて、アイドルに誘われて、幸運にも人気が出るようになって。
13:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:52:07.26 ID:sf9XWsg90
「何してるんですか?」
「……アロマ焚いても、タバコのにおい感じるなぁって」
「えぇ、ほんとですか? 俺全然感じないんですけど」
14:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:52:52.91 ID:sf9XWsg90
「ねぇ、Pさん」
「はい、なんでしょう?」
「……向こうでも、頑張ってくださいね?」
15:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:53:20.86 ID:sf9XWsg90
「そういえばPさん」
「なんですか?」
「今思い出したんですけど、私たちって喧嘩らしい喧嘩ってあんまりなかったですね」
16:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:54:05.04 ID:sf9XWsg90
出かける準備が整い、突然のことに少しついていけない彼をしり目に、勝手に話を進める。
でもいいんだ、今日は彼をいじめてもいい日。
ありったけの怒りと恨みをこめて、彼に文句を。
17:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:54:51.70 ID:sf9XWsg90
「あなたのこと、8年間ずっと嫌いでした」
−−あなたのことが、8年間ずっと好きでした。
「仕事うまくいかない私を誑かし、プロデュースされてとっても退屈でした」
−−仕事がうまくいかない私を誘い、プロデュースしてくれてとても楽しかったです。
18:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:55:34.65 ID:sf9XWsg90
途中から震えていた私の言葉を、彼は眼を閉じて最後まで受け止める。
私が何も言わなくなったことに気付いて、ゆっくり目を開く。
吸い込まれそうな、穏やかな彼の瞳が私の視線と交わり、見つめあう。
19:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:56:08.16 ID:sf9XWsg90
「……うそつき」
「うん」
「言い返さないんですね。約束守ったって自分から言うくせに」
20:名無しNIPPER[saga]
2016/06/15(水) 00:56:47.79 ID:sf9XWsg90
「ホント、どうしようもない人ですね……しょうがないので、最後におまじないです」
「えっ……んっ」
驚く彼の顔に、震える唇で無理やりキスをする。
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