82:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:15:37.31 ID:r7ZkODrmo
わたしは頭を振って、落ち着こうとする。
もう何を考えようと無駄だという気がした。
「……ケイくん、どうする?」
83:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:17:19.28 ID:r7ZkODrmo
わたしたちは噴水の広場を抜けて、風船紳士の消えていった坂を登っていった。
その先からはぎいぎいぎいぎいと耳を覆うような音のつらなりが聞こえた。
さっきと同じ、ゼンマイ仕掛けの子犬だった。
84:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:18:56.07 ID:r7ZkODrmo
結果から言ってしまえば、その判断は正解だったのだと思う。
何かしらの、"それらしき"ところには辿りつけたからだ。
でも、本当のところはどうなのだろう?
85:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:20:38.50 ID:r7ZkODrmo
坂を昇った先は、また広場のようになっていた。けれど、さっきよりもずっと広く、何もかもが大きい。
今度は、中央近くに花壇があった。
花壇は四つのスペースに分かれている。扇型に切り分けられた円の隙間が、裂くような石路になっていた。
86:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:23:12.86 ID:r7ZkODrmo
近付いて分かったのは、その壁に扉があること。
その扉が、木の枝に覆われていること。
その木の枝に隠されるように、ひとりの女の子が磔にでもされたみたいに吊るしあげられていたこと。
87:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:23:44.06 ID:r7ZkODrmo
「――ああ、来てくれたの」
と、少女は笑う。
88:名無しNIPPER[saga]
2016/07/12(火) 00:24:13.75 ID:r7ZkODrmo
わたしはケイくんの手をぎゅっと掴む。
これは悪い夢なのだろうか?
それとも何か、妙なことに巻き込まれただけの現実なのだろうか?
89: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2016/07/12(火) 00:25:07.51 ID:r7ZkODrmo
つづく
74-9 なかっからだ → なかったからだ
75-7 中央には何かの → その中心には何かの
90:名無しNIPPER[sage]
2016/07/12(火) 09:26:50.20 ID:Ip1AOLFs0
おつです
91:名無しNIPPER[sage]
2016/07/13(水) 09:56:59.51 ID:sNrL2RoT0
おつ
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