832:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:20:33.78 ID:lNpLKx20o
「たぶん、夢みたいなものなんだよ」
彼はもう一度繰り返した。
833:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:21:03.51 ID:lNpLKx20o
階段の先は暗闇で、どこまでも吸い込まれそうな暗闇で、たとえその先に足場がなかったとしても不思議ではないような暗闇で、
わたしは進むことがおそろしくなった。
「なあ、愛奈。おまえに聞いておきたいことがあるんだ」
834:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:21:50.93 ID:lNpLKx20o
「結局、ひとりぼっちじゃないか。こんな奇妙な旅までして、なんにも得られずに、ただ帰って、誰もいない」
「……」
835:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:22:47.25 ID:lNpLKx20o
「……え?」
それでも、その言葉に、思わず頭がまわらなくなった。
836:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:23:13.29 ID:lNpLKx20o
「……違うよ、ケイくん、わたしは」
「だったら、なんだっていうんだ。言ってみろよ。なあ、どうせ俺のことなんて、寂しいときに近くにいてくれるだけの相手だって思ってるんだろ」
837:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:23:45.37 ID:lNpLKx20o
「わたし、大丈夫だよ」
「……」
838:名無しNIPPER[saga]
2017/11/03(金) 00:25:06.72 ID:lNpLKx20o
そのまま、体を仰向けに横たえた。
やがて足音は聞こえなくなる。
839: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2017/11/03(金) 00:25:39.18 ID:lNpLKx20o
つづく
822-8 来ている → 着ている
840:名無しNIPPER[sage]
2017/11/03(金) 06:25:25.42 ID:ePdM/CoZ0
おつです
841:名無しNIPPER[saga]
2017/11/04(土) 23:50:08.38 ID:rBhi7b25o
◇
暗闇に横たえている。
冷え冷えとした空気がある。
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