過去ログ - 飛鳥「理解(わか)ったよ……真実は都のものだ」【モバマスSS】
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17:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:40:23.92 ID:gQuthCsR0
しかし、都は異を唱えた。
「勿論私も、鍵を使わずにこの部屋に入る方法を考えました。
 天井を見て下さい、換気扇が取り付けてあるだけです。
 そして、忍者屋敷のような反転する壁のような細工が施されているとは到底思えません。
 床面も同様です。
以下略



18:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:42:39.82 ID:gQuthCsR0
僕達は当初の目的を武内Pとちひろに話した。
“開かずの間”の究明に乗り出したこと、マスターキーで“開かずの間”に入るには、
二人のどちらかにマスターキーを借りてきて貰う必要があるということだ。

アイドル部門倉庫の不審な点が見逃せなかったのか、
以下略



19:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:45:06.90 ID:gQuthCsR0
先程より鮮明に目に映るようになった部屋の様子は、こうだ。

八畳間程の部屋で、窓は一切なく、
荷物と呼べるようなものも全くなかった。
何もない部屋だ。
以下略



20:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:46:43.90 ID:gQuthCsR0
「そうでしょうそうでしょう」都は満足そうに頷きながら、
入り口で屈みこんでポケットから虫眼鏡を取り出した。
そして、入り口から数歩程のところまでをじっくりと観察し始めた。

「都さん、確かホームズがそうするときは
以下略



21:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:48:38.84 ID:gQuthCsR0
「ちひろさんの疑問は最もです」都が続けた。
「もし誰かが気を利かせて掃除をしたのだとういうのなら、
 あそこの蜘蛛も掃除されていて然るべきです」

「まぁ、掃除する人も気持ち悪くてスルーしたんじゃない?」と周子が言った。
以下略



22:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:51:12.49 ID:gQuthCsR0
「では……映像制作部門の人が、最近にもこの部屋の掃除をするでしょうか?
 アイドル部門倉庫なら年末に一回、つまり年一回掃除するのが通例となっているのに、
 三カ月前に掃除したにも関わらず、最近になってもう一度掃除するものでしょうか?
 しかも、蜘蛛さんのご遺体はスルーするような、適当な掃除ですよ?
 さらに、もうここは“元”倉庫で、映像制作部門の人たちが利用する部屋ではありませんよね」
以下略



23:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:53:10.84 ID:gQuthCsR0
「僕は、一番ありえるという可能性を口にしたまでさ。
 だけど……犯人、と便宜上呼ぶが、
 犯人は何のためにこの部屋を掃除したんだい?
 それに、“開かずの間”の鍵を拾ったのを黙っている理由は?」
僕は都に質問した。
以下略



24:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 21:56:17.89 ID:gQuthCsR0
都がふぅと一息吐いている間に、武内Pが呟いた。
「なるほど……確かに掃除をしていなければ、
 A氏も足跡に気が付いたかもしれませんね」

「ええ、犯人もそう考えて、掃除をして綺麗さっぱり足跡を消したのだと思います。
以下略



25:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:01:49.01 ID:gQuthCsR0
周子は感嘆した。
「すごい……凄いよ都ちゃん!」
「えへへ、それほどでも」
言葉とは裏腹に胸を反りかえらせている都は、
それでもまだ目に宿る探求心がくすぶっているように見えた。
以下略



26:1 ◆hJf93tAuuw[saga sage]
2016/07/12(火) 22:03:25.02 ID:gQuthCsR0
「まぁ、そういうことなら……」
都の自信溢れる目を見ていたら
僕の方が些か事を解明するのに性急過ぎたと思った。
「すまない、僕の心の底はどうしてもリアリストだし、天邪鬼かもしれない。
 都さんの推理に文句を付けたかったわけじゃなかったんだ」
以下略



27:1 ◆hJf93tAuuw[saga]
2016/07/12(火) 22:05:15.48 ID:gQuthCsR0
しかし、首に手を当てながら壁を眺める武内Pが、動きを止めて一点を注視し始めた。
「都さん、すみませんがこの壁を見て頂けますか」
「プロデューサーさん、何か見つけましたか?」
都がトテトテと武内Pに近付いて、彼の脇に立った。

以下略



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