過去ログ - 高森藍子「7月25日。私は、ウサミン星でお散歩をしました」
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13:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:44:23.93 ID:s0xS1vQx0
満足したウサミン星人達が今度こそは元いた場所に戻る。楽しんでいってねー! とソプラノボイスをぴったり合わせてから。

上気した息を整えて、また藍子は景色を仰ぐ。
左手側にはミニステージらしき場所。それからカフェテラス席。噴水の周りでは楽しそうに何かを頬張っているウサミン星人がたくさんいる。
右手側には大きな滑り台に観覧車。それと公園。花柄のベンチと桜色の樹木。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:47:24.04 ID:s0xS1vQx0
>>13
再度申し訳ございません。1行目の一部を修正させてください。
誤:満足したウサミン星人達が
正:満足したウサミン星人たちが

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:47:53.98 ID:s0xS1vQx0
「あれ? あの子、こっちを見てる」

桜色の樹木の陰からこちらを伺っているウサミン星人がいることに気がついた。
藍子は1つ笑って、残した半分の人参を渡してあげた。
ウサミン星人は思いっきり飛び跳ねて、ウサミミを曲げ曲げお礼を言いながら去っていった。
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:48:23.97 ID:s0xS1vQx0
「いろいろあるなぁ……」

辺りを見渡しながら、進んでいく。
向こうの方で、ぱっ、と何かが弾けていた。じっくり見ていると、ぱっ、ともう1度。
さっきからよく見る彼女らよりもさらに小さな、子どものウサミン星人が両手をあげて喜んでいた。
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:48:54.36 ID:s0xS1vQx0
自分のウサミミが、何かを伝えるように身じろいだ。

もしかしたらっ、と、手のひらに力を込める。

「ん〜〜〜〜〜〜〜、えい!」
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:49:24.12 ID:s0xS1vQx0
「今度は、あっちに行ってみようっ」

しばらく歩いていると出店を見つけた。覗いてみるとウサミン焼きを売っていた。
食べたいけれど藍子はお金を持っていない。困っているとウサミン星人(案内役)がやってきて、何かあげればウサミン焼きをもらえるとアドバイスしてくれた。
唇に指を置いて、少し、考えて。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:49:54.06 ID:s0xS1vQx0
「ふふ……♪ あっちのは何だろ?」

少し離れたところに宙を浮く何かがある。小走りで近づいて見ると球体のそれは思ったよりも大きかった。藍子の身体は、球体の影にすっぽりと隠れてしまい、手を伸ばしても指先ですら触れることができない。
思い切って大ジャンプしてみたら、少し、ほんの少しだけ、爪の先端が当たった。
こつん、という乾いた音がした。小惑星を叩い――撫でた時のような音だった。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:50:54.84 ID:s0xS1vQx0
『おおっと申し訳ない。立てますか?』
「は、はいっ……びっくりしちゃった」

差し伸べてもらった手を掴んで、起き上がって。改めて、少し離れたところから浮遊するそれを眺める。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:51:24.05 ID:s0xS1vQx0
□ ■ □ ■ □

「シンボルとかってさ、来た人がすぐ見れる方がいいんじゃない? こう、電車から降りた時にさ、わー! 兎の形だ! ってすぐ分かるようにしたら面白いと思うんだけどなぁ」
「ナナ的にはウサミン星でいっぱい遊んで、その後で見てほしいんですよねぇ。ウサミン星の歴史って感じで! 最初はこう、とにかくスゴイって方がよくありません?」
「菜々ちゃんが言うならそうなのかなぁ……。あ、じゃあさ、最初にウサミン星人がいっぱいお出迎えしてくれるっていうのは?」
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:51:54.81 ID:s0xS1vQx0
「え? え?」

それはウサミン星のシンボル「ウサギ石」を見て、踵を返した時だった。
夜色一色だった空が塗り替えられていく。雲1つない水色が塗りたくられ、何が起きたのかと口を開けていたら今度は夕焼け色に染まっていく。
気がついたらまた水色になって、目を白黒としている間に身体の感覚が1つ増えた。何事かと目だけを後ろ足からお尻の方へと向ける。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 19:52:24.18 ID:s0xS1vQx0
「あ、あれ?」

目を拭うと今度は月が4つに増え虹が消えていた。ウサミン星人たちが月に向かって両手を広げて騒いでいる――そこまで見たところで視界がぐるりと回って、雪が降りだして、雨が降りだして、花が降りだした。
月の欠片がぽつりぽつりと降り注ぎ、藍子のポケットに大小自由のウサミミがいくつもしまわれた。

以下略



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