61:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:32:17.68 ID:1/zk8vPV0
そう僕は思っていた。
だからおっちゃんを超えたかった。
あの日、あの時、あの瞬間。彼が黒い海に飛び込んだ背中を…僕は今でも追い続けていたのだった…。
62:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:33:15.34 ID:1/zk8vPV0
「でも…怒ってたんじゃないの?先生」
「奴はいつでも怒ってる…それに、今年の夏は去年と違って何もないしね」
「…そっか」
「そうそう。部活より修行の方が大事だし!」
63:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:33:54.98 ID:1/zk8vPV0
「いや、アンタの出来てるってのがわかんない」
「じゃあ、見せてやるよ!ちょっと立ってみろ」
「ええ?!面倒くさいなぁ」
「良いから、良いから」
64:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:34:23.14 ID:1/zk8vPV0
「両腕を空に突き出せ!」
「え?」
奈緒は言われるままに両腕を上に上げた。
65:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:35:11.09 ID:1/zk8vPV0
「最悪ぅううう![ピーーー]![ピーーー]![ピーーー]!」
奈緒は落ちている枝とかを僕に投げ始めた。
「ハッハッハッハ!当たらんよ!いつも修行をしている俺にはそんなの当たらんよ!」
66:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:36:18.78 ID:1/zk8vPV0
「うわああああん!奈緒が水筒投げたあああ!」
「うるさい!じゃあね!」
奈緒は怒って一人立ち去って行ったのだった…。
取り残された僕は顔を押さえながら一人空を見上げる。
67:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:37:00.49 ID:1/zk8vPV0
「…無理…なのかな…」
そう呟いた後にドン!と言ういつもの耳鳴りが響く。
又だ。
最近たまに鳴る耳鳴り。
68:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:37:54.48 ID:1/zk8vPV0
津村秀樹が亡くなった後。中学二年までは毎年僕は家族でこの海に来ていた。
勿論奈緒達の家族も一緒だ。
だけど、中三の時は僕は来る事が出来なかった。
そして去年も。
今年は急に行こうと思い立った。
69:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:38:34.30 ID:1/zk8vPV0
「てか、何でチャリなのかが分からないっしょ!」
そう信一が笑いながら酒を飲む。
「うるせえ!ムシャ、修行の一環に決まってんだろうが!ムシャ」
70:名無しNIPPER
2016/08/07(日) 13:39:20.33 ID:1/zk8vPV0
「そうなんだよ、ウチはカカア天下な家庭になりそうで」
「アンタと結婚する気はないから!」
その言葉に親戚の大人達が笑っていた。
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