過去ログ - 提督「グラーフ・ツェッペリン、割り箸を割る」
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10:名無しNIPPER[saga]
2016/08/13(土) 01:44:19.13 ID:IPF1yQGEO
単純な感情面では、グラーフ・ツェッペリンは恋する乙女に過ぎない。しかし、いまや自由な精神に開かれたグラーフ・ツェッペリンにとって、その役を熱演するには心的抵抗が強い。

グラーフ・ツェッペリンは割り箸を指先で転がした。食事のためやら掃除のためやらといったあらゆる目的の連関から外れ、ただそこに物体としてだけある割り箸。

恋する乙女の呪縛から自由を獲得したグラーフ・ツェッペリンもまた単なる物体であった。恋する乙女としてその内を生きていた時、その生の目的は「アドミラルの歓心を買う」などと用意されていた。

それゆえ「AかBか」と選択の際にはその目的に合致するかで意志決定すればよかった。だが、その目的自体の選択に惑うのならば。

グラーフ・ツェッペリンは割り箸に共感した。グラーフ・ツェッペリンも割り箸も同じだ。どちらもいまや完全な無目的。盲目的自由に巻き込まれている。

無限の可能性というのは結局のところ有限な存在者にとっては袋小路以外の何者でもない。



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