12: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:37:00.24 ID:YBWtgjpT0
 「ま、まゆお姉さん! だ、だいじょうぶですか……!?」 
  
 ののお姫さまが白い繭に話しかけます。 
  
 「はい、だいじょうぶですけど……なんでしょう、これは……?」 
13: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:37:52.38 ID:YBWtgjpT0
 けれど、魔女は笑いつづけます。 
  
 「ちーっひっひっひ! ちぃーっひっひっひ!」 
  
 それどころか、高笑いをしました。 
14: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:38:30.07 ID:YBWtgjpT0
 「ど、どうしましょう……」 
  
 魔女がいなくなってしずかになった部屋に、ののお姫さまの声がひびきます。 
  
 「……ごめんなさい、まゆがもっとしっかりしていれば」 
15: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:39:17.27 ID:YBWtgjpT0
 「……あ」 
  
 ののお姫さまが口を開きました。 
  
 「あの……私が読む本だと、魔女の魔法とかのろいって、だいたい王子さまとか、好きな人とか、運命の人によってとかれるものなので……」 
16: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:42:03.60 ID:YBWtgjpT0
 「……王子さま……好きな人……運命の人……」 
  
 「……あの人だったら」 
  
 繭の中から声がきこえます。 
17: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:43:18.26 ID:YBWtgjpT0
 まゆお姫さまのために、しょうこお姫さまとののお姫さまはさっそくとなりの国へとむかいました。 
  
 野原をこえて。 
  
 森をこえて。 
18: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:44:26.48 ID:YBWtgjpT0
 となりの国へついた二人は、さっそく王子さまに会いに行きました。 
  
 「王子さま、まゆお姉さんをたすけてください」 
  
 「王子さま、まゆ姉さんをたすけてください」 
19: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:44:53.42 ID:YBWtgjpT0
 王子さまをつれて3人は来た道をもどります。 
  
 山をこえて。 
  
 森をこえて。 
20: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:45:21.84 ID:YBWtgjpT0
 「まゆお姉さん、もどりました……!」 
  
 3人は白い繭のところにむかいます。 
  
 「おかえりなさい」 
21: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:46:18.36 ID:YBWtgjpT0
 「こうして、またあなたに会えて本当にうれしい」 
  
 「……でも、顔が見えないことがかなしい」 
  
 「……どうかすがたを見せてくれませんか、まゆお姫さま」 
22: ◆6QdCQg5S.DlH[saga]
2016/08/14(日) 23:47:26.96 ID:YBWtgjpT0
 「じつは、あなたにずっとつたえたかったことがあるんです」 
  
 王子さまはまゆお姫さまの手をぎゅっと握り、話しはじめます。 
  
 「私は、ずっとあなたのことがあたまからはなれませんでした」 
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