過去ログ - 男「ここにいたんだ」
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258:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 21:53:43.55 ID:qsBzmbI/0
 八月の半ばごろ、近所の河原で花火大会が開催される。

 広い河原にいくつもの屋台が立ち並び、わりと豪華な花火が何発も打ち上げられる。

 近所の人から、遠方からわざわざ見に来る人まで、たくさんの人が河原やその周辺に溢れかえる。
以下略



259:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 21:55:40.30 ID:qsBzmbI/0
 当日。
 想像通り、ムギちゃん、なーちゃん、ハルの三人は、祭りを楽しみにしていたらしく、わいわいと騒ぎながら歩いていた。

 でも、明日にはムギちゃんが帰ってしまうせいか、いつもよりはしゃぐ声が小さい気がした。

以下略



260:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 21:59:30.02 ID:qsBzmbI/0
 屋台の群れの中に入ると、周りの人が何を言っているのかわからないほどの喧騒に包まれた。
 一人一人は騒いでいるわけではないのに、その人混みの中に入ると、隣の人の声すら聞きづらくなる。

 お互い姿を見失わないように屋台を見て回っていると、予想に反して、ねえちゃんとナナコは随分とはしゃいでいた。
 子供達と一緒になって、屋台を満喫している。
以下略



261:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:01:24.53 ID:qsBzmbI/0

 途中で射的の屋台があって、ムギちゃんがやりたい、と言ったので、そこで立ち止まる。

 ムギちゃんは一発も当てられなかった。でも楽しそうだった。
 部長とハルはそこそこで、初めの数発は外したものの、半分くらいは的に当たっていた。
以下略



262:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:05:05.23 ID:qsBzmbI/0
 足元には河原特有の大きめの砂利が敷き詰めてあって、まっすぐ歩くのは難しい。ゆっくりと転ばないように歩く。

 少し後ろから、はぐれないように、俺の服の裾が、遠慮がちにつままれていた。

 弱めの力で、でも離れないような、まるで裾に自分の意識が移ってしまったかのように、鮮明に感覚が伝わってきた。
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263:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:07:11.18 ID:qsBzmbI/0
 次はアレ見たい、となーちゃん達がはしゃいでいる。
 はぐれないように、とチヨが慌ててついていく。

 賑やかだった。

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264:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:08:22.84 ID:qsBzmbI/0
 周囲を見渡すように歩いていると、基本的にどの屋台にも、列が並んでいることに気づく。
 列がない屋台は、お面の屋台と、しょぼいクジ引きの屋台くらいだった。

 人が少ない道が、自然とわかってくる。

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265:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:09:51.64 ID:qsBzmbI/0

「先輩、もうすぐ花火、始まりますよ」

「だな」

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266:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:11:26.64 ID:qsBzmbI/0
 そうこうしていると、下流の河原の方から歓声が聞こえてくる。

 コヨミちゃんにつられて空を見上げると、ちょうど一発目の花火が打ちあがっているところだった。

 眩しいくらいの火花が夜空に散って、
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267:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:13:53.21 ID:qsBzmbI/0

 俺も同じように体を傾けて、ななめ上を見上げると、綺麗に花火が見えた。

「おお」

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268:名無しNIPPER[saga]
2016/08/26(金) 22:17:01.80 ID:qsBzmbI/0
 一際大きな花火があがる。
 大きな音に、コヨミちゃんが「わっ」と驚いていた。

 よく考えてみると、そもそも今年の夏は、かなりアクティブな方だ。
 合宿にも行ったし、こうして花火大会にも出かけてる。
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