291:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:26:57.21 ID:ilA7zgD60
翌朝、セミのかすかな鳴き声で目を覚ます。四時過ぎ。いつも通りの起床時間。
カーテンを開ける。
この季節は、起きてすぐでも日が昇り始めているので、目覚めがいい。
292:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:27:54.04 ID:ilA7zgD60
顔を洗って、歯を磨いて、また顔を洗う。
乾燥機の中からタオルを取り出し、顔と前髪を拭く。柔軟剤を使っているので柔らかい。
293:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:28:37.76 ID:ilA7zgD60
食べ終わってから、しばらく生産性のない会話を繰り広げていると、なーちゃんたちがやってきた。
チヨは後ろ髪を結んでいる。
ハルは宿題を持ってきていた。薄くて大きな問題集。
294:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:29:26.81 ID:ilA7zgD60
セミの鳴き声が二種類に分かれてきたころ、ナナコがやってきた。
「今日も暑いですね」
歩いてくるとやっぱり暑いらしい。
295:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:30:07.88 ID:ilA7zgD60
ナナコがオセロのアプリで、チヨに勝負を挑む。
割と接戦だったようだが、最後はチヨに負けていた。
なーちゃんにも負けていた。
この姉妹はオセロが得意らしい。
296:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:31:19.14 ID:ilA7zgD60
「わざわざ廊下に出なくてもいいのに」
「まあ、聞かれたくない話でもするんじゃない?」
部長はそう言って、「うふふ」と口に手を当てた。
297:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:31:57.85 ID:ilA7zgD60
それから五分くらい経って、ハルがスマホ片手に戻ってきた。
扉を開けると全員が(何人かはニヤつきながら)自分のことを見ていたので、彼は少したじろいでいた。
落ち着かなさそうに髪を撫でて、ハルはありがとう、とねえちゃんにスマホを返した。
298:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:32:30.51 ID:ilA7zgD60
ファミレスに着くと、案の定、人が多くて、しばらく待つことになった。
「なんかごめん」
部長は申し訳なさそうに項垂れた。
299:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:33:14.34 ID:ilA7zgD60
二時間近くドリンクバーで粘って、店を出る頃には、俺たち以外に客はいなかった。
店員さんには申し訳ないことをした。
でもまあお金は払ってるし、と自分に言い聞かせる。
300:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:33:51.02 ID:ilA7zgD60
結局その日は、夕方まで騒いだり笑ったりして、家の中でほとんどを過ごした。
お喋りしたり、ゲームしたり、お喋りしたり。
何でもないようだけど、普通に楽しかった。
301:名無しNIPPER[saga]
2016/08/28(日) 23:34:35.05 ID:ilA7zgD60
玄関から物音。
振り返ると同時に、イチの声が聴こえた。
「スマホ忘れちゃってて」
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