1:名無しNIPPER
2016/09/03(土) 22:31:10.55 ID:I0oov03+0
怖い夢というのは印象に残る。
楽しかった夢や、なんてことない平凡な夢ほど簡単に忘れていくのに。
怖い夢というのは印象に残る。
起こるはずの無い事態も当然の様に見せつけてくる。大切な人もお構いなしに失う。
だからこれは怖い夢だ。
目の前で倒れている優花里さんも、華さんも、この薄暗い部屋も全部。
そして私の前に立つ銀髪の小さな子も、全部夢なんだ。
夢じゃないとダメなんだ……。
銀髪の少女が手を上げる。
かつて敵として戦い、お互いに健闘を称え合った少女。同じボコ好きとして一層仲良くなれたと思っていたのに。
その少女が今、感情の見えない瞳で手を上げる。
視界を覆う様に差し出された掌が怖くて、私は静かに瞳を閉じた。
悪夢から目覚める為に、私は夢に逃げていた。
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2:名無しNIPPER
2016/09/03(土) 22:57:15.76 ID:I0oov03+0
「西住殿ー!」
元気な声に呼ばれて振り返ると、優花里さんがこっちへかけてくるのが見えた。服装は私と同じ大洗女子学園の制服だ。
3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/03(土) 23:22:55.00 ID:I0oov03+0
寂びれたモールの玄関を潜りながら、私達は指定された場所へと向かう。
「こんな辺境の地に呼び出すなんて、文科省の人間は何を考えているんだ」
4:名無しNIPPER[saga]
2016/09/03(土) 23:57:40.21 ID:I0oov03+0
三階に上がって突当りに見える扉が、今回指定された集会所だ。
時刻は午前十一時。日も昇り始めた時間帯だと言うのに、モール内は閉店後の様な薄暗さをしている。
5:名無しNIPPER[saga]
2016/09/04(日) 01:28:29.00 ID:UKdWgJlR0
扉を開くと、そこには広大な空間が広がっていた。
正面には大きな壇上があり、その壇上から緩やかな上り坂となっており、その丘に等間隔で無数の椅子がびっしりと並んでいる。
6:名無しNIPPER[saga]
2016/09/04(日) 01:58:29.45 ID:UKdWgJlR0
席に着いてから改めて周囲をぐるりと見渡す。
壇上の最前線には私達あんこうチームの面々と生徒会、そして黒森峰女学園のお姉ちゃんとエリカさん。
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