3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:22:56.54 ID:RBrPvO4M0
3
みくはアイドルが好きだった。猫とどちらが好きかと言えば、おそらく、同じくらいだろう。
みくが特に好きなのは『日高舞』と呼ばれる、既に引退しているアイドルのようだった。
みくが生まれた頃にはまだアイドルをやっていたようだが、私が知っているのは過去の映像だけだ。それはみくも同じだったが、それでも、彼女は日高舞が好きだった。
どうして既に引退しているアイドルが好きなのかと言えば、この店ではよくその映像を流しているから、だろう。なんでもご主人が日高舞のファンだったらしく、映像はぜんぶ残してある、ということだ。
また、日高舞が国民的(なんて言葉では収まらなかった、らしいが)アイドルだったことも一因だろう。つまり、常連客にも評判が良かったのだ。
そういうわけでこの店では日高舞の映像がしばしば流されており、この店にしばしば遊びに来ていたみくは日高舞のことが好きになった、ということである。
みくの口から他のアイドルの名前が出ることもあったが、さすがにそれはわからなかった。
我がご主人は他のアイドルにはそれほど興味がなかったようなのだ。「とーこちゃん」などと言われても、私にはわからない。
そう言うとみくは「それやったら、しゃーないなー」と言っていたが、だからと言ってそういったアイドルの名前を出さないようにするわけではなかった。
まあ、話したいのだろう。そう思った私は聞き役に徹することにした。
アイドルの話をするみくの顔は輝いていた。アイドルに憧れているのだろう、と思った。
22Res/20.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。