2:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:21:24.22 ID:RBrPvO4M0
2
私が生まれた頃、既にみくはしばしばこの店に遊びに来ていた。
3:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:22:56.54 ID:RBrPvO4M0
3
みくはアイドルが好きだった。猫とどちらが好きかと言えば、おそらく、同じくらいだろう。
4:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:23:23.58 ID:RBrPvO4M0
そうやってみくの話を聞いていた、ある日のことだった。
みくがあんまりにもアイドルのことを楽しそうに話すので、私は言った。みくは本当にアイドルが好きなんだな。アイドルに憧れているんだな、と。
いつものみくなら、ここは「うん!」とうなずくところだと思ったのだが、その日は違った。彼女はちらちらと周囲を見て、内緒話をする時のように、私の耳に口を近付けた。
5:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:24:07.92 ID:RBrPvO4M0
「にゃあ」と言って、私はテレビに近付いた。今は日高舞の映像は流れていない。だが、どこにそれが置いてあるのかはわかっている。
私はご主人の方を見て「にゃあ」と鳴き、日高舞のビデオが入っているケースを叩いて示した。
「……舞ちゃんのビデオを再生しろ、って?」
6:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:24:43.18 ID:RBrPvO4M0
「おもいでがおりかーさなーってくー♪」
みくは、歌い始めた。
「ひーとーりでーさーみしかーったときにもーあなたはいつもー♪」
7:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:25:30.87 ID:RBrPvO4M0
「……どうやった?」
みくの言葉に、私は「にゃあ」と答えた。
素晴らしかった。
8:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:26:23.54 ID:RBrPvO4M0
4
それから。
9:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:26:55.30 ID:RBrPvO4M0
5
「――おばちゃん!」
10:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:27:33.78 ID:RBrPvO4M0
6
何の前兆もなかった。喧嘩も何もしていなかった。大きなイベントは何もなかった。
11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:28:01.19 ID:RBrPvO4M0
「……ぐすっ」
みくが泣いている。
その隣に、ミケがいた。みくに寄り添うようにして、ミケはみくの隣にいた。
12:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:28:33.29 ID:RBrPvO4M0
――なら、ミケは?
13:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:29:39.03 ID:RBrPvO4M0
「にゃあ」
ミケが鳴いて、みくから離れた。
「あっ……」
14:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:30:29.33 ID:RBrPvO4M0
7
十年後。
15:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:31:01.10 ID:RBrPvO4M0
8
大阪。とあるお好み焼き屋。
16:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 18:31:43.19 ID:RBrPvO4M0
終わりです。ありがとうございました。
17:名無しNIPPER[sage]
2016/09/17(土) 18:34:21.55 ID:uiBg2/qAo
にゃあ(乙)
18:名無しNIPPER[sage]
2016/09/17(土) 18:41:25.27 ID:dqRdEC0Wo
とてもよかった
おつ
19:名無しNIPPER[sage]
2016/09/17(土) 18:45:35.72 ID:w1Bit3+9O
このぬこ尻尾割れてない?
20:名無しNIPPER[sage]
2016/09/17(土) 21:47:33.84 ID:VOlsOq/Po
乙だニャ
21:名無しNIPPER
2016/09/18(日) 01:16:12.37 ID:GqjbcAer0
乙にゃ
22:名無しNIPPER[sage]
2016/09/18(日) 11:23:08.21 ID:3b7uDUHfO
乙
とてもよかった
22Res/20.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。