過去ログ - 白坂小梅「笑うDJ」
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22:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:10:17.08 ID:Sa18P+fH0

 人気アイドルの仲間入りをしても、他のアイドルが頻繁に遊びに来ることなども相まって小梅ちゃんには欠かせない番組になっていた。
 時々起こる怪現象も素敵なスパイスになって、しっかりオカルトファンも掴むことができた。

 今でも収録中にポルターガイストが起こるのは日常茶飯事だ。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:10:51.90 ID:Sa18P+fH0


 小梅ちゃんに連れられて、俺は今収録ブースの前にいる。

「それで、困ったことって?」
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:11:44.84 ID:Sa18P+fH0

 往々にして幽霊さんは、自分のことのわかる小梅ちゃんにだけ用がある。
 それ以外の人に関わるときはイタズラが殆どで、俺に用があるなんて幽霊さんは初めてだった。

 当然、俺は幽霊さんを見ることができないし、触れることもできない。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:12:15.06 ID:Sa18P+fH0
 
 ところがどっこい、俺に用があるときたもんだ。俺の知り合いなのか? 
 なんの恨みか。祟られるのか。

「……大丈夫な人?」
以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:12:43.31 ID:Sa18P+fH0
 

 ドアを開けた瞬間俺の目に映ったのは、ふわふわ浮かぶ一升瓶だった。




27:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:13:19.46 ID:Sa18P+fH0

 あぁ、これは小梅ちゃんが困る訳だ。俺だって困る。
 どこから持ってきたのだろうと思ったが、一升瓶くらいなら事務所にはいくらでも転がっている。それで良いのかこの事務所。

 机に置かれたコップには、残り少しではあるけれど透明な液体。見たことのあるラベル。
以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:14:17.39 ID:Sa18P+fH0

 俺がブースに入った瞬間、ふわふわ浮かぶ一升瓶が傾いて、机のコップに注がれる。
 今度はコップが浮き上がり、安焼酎が揺れて、減ってゆく。

 どこに消えていくんだろう。
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:14:54.12 ID:Sa18P+fH0

 なんなのだこの一升瓶のオバケは。

 ニマニマ笑うように揺れている。なにの返事もないし、信楽焼きの狸に話しかけているみたいだ。
 俺に幽霊さんの声は聞こえないから、当然なのだけれど。
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:15:28.82 ID:Sa18P+fH0

 嘘だろう。コップの中の焼酎は空になっていた。

「あと……スーツ、似合ってないな……だって……」

以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:16:01.97 ID:Sa18P+fH0

「小梅ちゃんも、座りなよ」

「うん……」

以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2016/09/17(土) 22:16:42.44 ID:Sa18P+fH0

 親父、会いに来てくれたんだな。
 死に目に会えなくてごめん。
 連絡もしないでごめん。

以下略



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