34: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 00:17:07.54 ID:d4YmaynD0
向きになって、ばあさんの言うことを否定する理由はない。
が、ばあさんの言葉にささくれ立っている自分もいる。
「おばあちゃん、ケーキ切れたよ」
35: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 00:21:19.68 ID:d4YmaynD0
眠いのでここまで
36: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 17:07:00.58 ID:d4YmaynD0
ばあさんの怪訝そうな顔を肩越しに見やって、素早く扉を閉めた。
「どうしたの?」
ゆうが首を傾げた。
37: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 17:27:59.88 ID:d4YmaynD0
「すれ違ってるなって感じるけど、私は騙されたなんて思ったことないよ」
「思わないようにしてるだけじゃないの?」
そんなの、悪意に向き合いたくなくて、逃げてるんじゃない。
38: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 17:36:39.32 ID:d4YmaynD0
「私にも教えて欲しい」
「やだ」
「お願い」
39: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 18:04:04.73 ID:d4YmaynD0
同情を買うために話すわけではない。
でも今のそういうフリみたいになってたら嫌だな。
「南合とさ、私の最初の友だち――天子って言うんだけど、二人は付き合ってたの」
40: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 18:20:40.93 ID:d4YmaynD0
「南合が消えれば、あの教室には平和が訪れるって信じてる。友達は毎晩自分のツイッターに生存報告するの。天子はこのままずっとそんな生活を送るのかなって考えたら――」
考えたら、やっぱり殺意しか沸かないよね。
「――考え始めたら、南合のこと考えてたらヤバいことばっかり思いついてさ。だから、関わらないように、考えないようにしてる。南合からしたら、下僕の友だちは下僕みたいな感覚かもしんない。でも、私、下手したら……いつヤッちゃってもおかしくない」
41: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 18:51:41.19 ID:d4YmaynD0
目の前の少女の瞳が揺らぐ。
「さて、ここで問題です。そんな私が、南合の取り巻きのあんたと今一緒にいて、どんな気持ちが湧いてるでしょうか? えー、1に殺意。2に殺意。3に殺意」
と、そこで目の前の彼女の呼吸が乱れた。
42: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 18:58:54.83 ID:d4YmaynD0
「あ、ごめんなさい……」
細い髪の毛の束に軽く触れて、
「許せなくて……」
43: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 19:17:25.05 ID:d4YmaynD0
私の話はそこまでにして、あとはケーキを口に運ぶ作業を続けた。
ゆうが転校する前にいた学校でのことも少し聞いた。
まあ、ある程度想像できる内容だった。
ただ、学校を変わったとしても、人が変ったとしても、
結局の所、自分が変わらなければ何も変わらない。
44: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/09/25(日) 19:25:22.67 ID:d4YmaynD0
自分の伝えた悪意が、肩の辺りに圧し掛かっている。
言うんじゃなかったと。
後悔。
さあ、これでゆうは私に近づかなくなるだろうか。
それとも。
130Res/82.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。