過去ログ - 藤原肇「Happy Endで始めよう」
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:12:56.23 ID:xjUUEHux0
モバマスSSです。
プロデューサーはP表記。
一応、地の文形式。
SSWiki :
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2
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:15:36.28 ID:xjUUEHux0
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一つの備前焼の器を作るには、一か月という長い時間がかかります。
以下略
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:19:07.63 ID:xjUUEHux0
割れないように丁寧に梱包すると、母からは「いつになく包むのに時間がかかるわね」とからかわれました。
少し顔が熱くなったのを感じながら、宅配便の用紙に宛先の住所と名前を書いていきます。
送り主の名前には、ちょっとした悪戯を。
以下略
4
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:22:37.23 ID:xjUUEHux0
・・・・・・・・・・
朝のラッシュ時間ということもあり、東京駅は多くの人でごった返していた。
以下略
5
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:26:04.17 ID:xjUUEHux0
こうして有休を使って新幹線に乗ることになったのは、一週間ほど前に起きた出来事のためだ。
大きなライブも終わり、ようやく一息つけるとほっとしていた時に、宅配便でとある荷物が送られてきたことが発端となる。
送り主の名前のない、「ワレモノ注意」のシールが貼られた小さな段ボール箱が、自分宛に送られてきた。
以下略
6
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:29:55.39 ID:xjUUEHux0
事務所に自分宛で送られてきた小包の中身をまじまじと眺めていると、
ひょいと後ろからちひろさんが現れ、それを覗きこんできた。
「茶碗ですか。ってことは、送り主はもしかして…?」
以下略
7
:
◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:32:30.88 ID:xjUUEHux0
「でもお茶碗ですかあ…時々思ってましたけど、あの子って意外とロマンチストですよね」
「この意味、分かりますか?」
以下略
8
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:34:08.51 ID:xjUUEHux0
今、その茶碗は割れないよう再び包み、リュックの一番上に入れてある。
あの子と初めて出会ったのは7年前。新卒で入社して1年が経ったとき、初めて担当を任されたアイドルだった。
最後に会ってからもう4年以上会ってない。
以下略
9
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:36:53.36 ID:xjUUEHux0
つい、その曲の題名から、あの子とノルウェーへ仕事に行ったことを思い出した。
確かあの時は、幸子と麗奈とみちるも一緒だったと記憶している。確か、5、6年前のことだ。
ようやくプロデューサーとして板についてきた時に舞い込んできた大きな仕事で、この上ない喜びとプレッシャーを感じながら、先輩のプロデューサーたちと一緒に必死にやり抜いた。
以下略
10
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:39:16.40 ID:xjUUEHux0
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:41:02.87 ID:xjUUEHux0
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それは、一昨日の夕べのことでした。
以下略
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:41:54.67 ID:xjUUEHux0
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以下略
13
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:44:32.72 ID:xjUUEHux0
「よく俺たちはシンデレラと魔法使いに例えられる。プロデューサーは魔法をかけて、女の子をアイドルというシンデレラにする」
「でも、それまでだよ。俺たちプロデューサーは、落としたガラスの靴を拾う王子様ではないんだ」
「今日からはアイドルではない、ただの藤原肇ですよ?」
以下略
14
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◆kBqQfBrAQE
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2016/09/23(金) 11:45:58.13 ID:xjUUEHux0
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ちょうど高校を卒業する節目でもあったということもあり、あの子は18歳でアイドルを卒業した。
以下略
15
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:46:48.86 ID:xjUUEHux0
岡山駅で降り、在来線へと乗り換える。
本数の少ない在来線特有の乗り継ぎの悪さもあり、20分ほど待って乗車した。
岡山から東へ、40分ほど揺られる。
以下略
16
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◆kBqQfBrAQE
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2016/09/23(金) 11:48:29.59 ID:xjUUEHux0
ぼんやりと外の風景を眺めているうちに、目的の駅に到着した。
駅舎は備前焼の資料館も併設しているため、それなりに大きい。
意外と冷たい風が吹いてきて、思わず身をすくめる。天気予報の通り、北風が少し吹いているようだ。
以下略
17
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◆kBqQfBrAQE
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2016/09/23(金) 11:49:41.06 ID:xjUUEHux0
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いつ来るのだろうか。もうすぐ来るのだろうか。
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18
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◆kBqQfBrAQE
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2016/09/23(金) 11:50:48.03 ID:xjUUEHux0
隣にいる祖父はいつも通りクルクルとろくろを回し、見事なまでに手早く器を成形します。
相変わらず無心に作業をしているなあと眺めていましたが、表情はよく見ると、口元が緩んでいました。
自分自身の心中を見透かされたような気がして、気恥ずかしくなります。
以下略
19
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◆kBqQfBrAQE
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2016/09/23(金) 11:52:09.76 ID:xjUUEHux0
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流石は備前焼の里ということもあり、陶器の販売店や、窯元の看板があちこちに見えた。
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◆kBqQfBrAQE
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2016/09/23(金) 11:55:09.71 ID:xjUUEHux0
砂利が敷き詰められた敷地に足を踏み入れると、足の裏に独特の感触と共に音が立つ。
工房や陶器の直販店も兼ねているため、相変わらずの広さだ。
玄関の方に行こうとしていたら、その隣にある物置の傍に、藍染めの作務衣を着た人影が見えた。
以下略
21
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◆kBqQfBrAQE
[saga]
2016/09/23(金) 11:56:19.39 ID:xjUUEHux0
あの子の祖父はふうと息をつくと、少しだけ表情を和らげて言った。
「肇は奥の工房にいるから、早く行きなさい」
以下略
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