1:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 15:44:00.75 ID:d3zd/qUs0
女友「そうそう!そういうサイトがあってそのサイトに好きな人の名前を入力すると本当に恋人が出来たって人がいるみたい」
女「何その胡散臭い話…」
女友「いや本当なんだって…隣のクラスの子もそれで長年好きだった幼馴染と付き合えたって言ってたよ」
女「ホントかなぁ…」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 15:47:28.84 ID:d3zd/qUs0
女友「でも、そのサイトにアクセスするには本当に付き合いたって気持ちがないとダメみたいなんだって…」
女「なおさら胡散臭いじゃん…」
女友「私もアクセスできないかぁ…」
3:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 15:58:37.26 ID:d3zd/qUs0
私は恋をしたことがある。それも三回。一度目は小学生の頃、隣に住んでいた幼馴染。二度目は中学一年生の頃、部活の先輩に。三度目はこれまた中学三年生の頃、同じクラスの男の子に恋をした。
まぁ結果はわかるようにすべて失敗。彼氏いない歴年齢=のまま、高校二年生の春を迎えていた…
女「てか女友って好きな人いたの?」
4:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 16:05:39.38 ID:d3zd/qUs0
本当に恋のキューピッドがいるなら私の恋も叶ってたのかなぁ…
なんてあるはずもない事を考える…
女「それで、その先輩と付き合いたいから恋のキューピッドに頼もうとしてるわけだ」
5:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 16:16:11.45 ID:d3zd/qUs0
その日の夜。私は今日女友が話していた[あなたの恋叶えます、恋のキューピッド♡]というサイトを調べていた。
ネットでも有名な話らしく、本当に恋をしたいと思っている時にそのサイトは現れ、好きな人の名前を打ち込むだけでその人と一生結ばれるらしい。
一生って…
ベッドに横になりながら携帯でそんなことを調べていると、女友からのメールが来る。
6:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 16:25:28.17 ID:d3zd/qUs0
翌日、女友は朝からテンションがマックスだった。てか、五月蝿い…
どうやらもう先輩には放課後話す約束をしているようで、どういう告白をしよう、髪おかしくないかな?
なんて朝から聞いてくるもんだから、放課後までの時間を使って二人でずっと考えていた。
女友「うん、決めた。やっぱりストレートに好きですって言う!」
7:名無しNIPPER[sage]
2016/11/20(日) 16:27:17.06 ID:1Fjg9Onso
期待
8:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 16:44:53.49 ID:d3zd/qUs0
女(しかし、恋のキューピッドねぇ…結局、告白する勇気のない子に告白させるきっかけを与えるようなサイトのような気がするけど…)
女「成功するといいなぁ…女友」
教室で待っているのも落ち着かなくて、私は学校内を歩き回ることした。
9:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 16:52:43.85 ID:d3zd/qUs0
校舎内を歩いていたときふと窓の外を見ると体育館裏に女友と背の高い男子生徒がいるのが見えた。
遠目でしか見えないけれど確かにカッコイイイ人だなったと思った。女友が惚れるのもわかる気がする。
なんだか見ているのも悪い気がして目を離し、もう一度歩き出そうと足を踏み出す。
最後にもう一度女友に目をやると、私はすぐに違和感に気がつく。
10:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 17:01:57.33 ID:d3zd/qUs0
すぐさま私は女友のもとへ走った。
なんだかやばい気がする。そんな思いでいっぱいだった。
二分も立たずに女友のいる体育館裏へ着く。そこで見た光景はまさしく非現実的な光景だった。
11:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 17:10:04.11 ID:d3zd/qUs0
気が付くと私は保健室のベッドの上だった。
どうやらあのまま気を失っていたらしい…
女「お、女友は!?」
12:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 17:25:27.79 ID:d3zd/qUs0
私は保健の先生に大丈夫だと伝えると、心配する女友を保健室の外で待っていた女友の彼氏に無理やり連れて帰ってもらった。
私がすみませんと伝えると笑って、なんともなくてよかったよと言ってくれるあたり本当にいい人だなっと思った。
女友と彼氏さんを見送り、私はもう一度あの体育館裏に行ってみることにした。
13:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 17:33:16.19 ID:d3zd/qUs0
体育館裏に行くが特に変わったことはない。
本当に夢を見ていたのではないか、そう思うほどに…
女「帰るか…」
14:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 17:40:05.16 ID:d3zd/qUs0
その人の第一印象は美しいだった。
一瞬女性かと思うほどの…多分男性だと思うけれど。
女「あ、あの、あなたは?」
15:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 17:57:55.61 ID:d3zd/qUs0
女「……」
男「まぁ、こうなるよなぁ…」
女「ふっ、あはは」
16:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 18:02:09.79 ID:d3zd/qUs0
ノコリモノ。なんだかいやな言葉だ…
男「ほぉ、その歳でノコリモノとかどんな確率だよ…」
男の言葉からはあまりいい言葉ではないことが分かる。
17:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 18:18:45.82 ID:d3zd/qUs0
男「人っていうのは人生に運命の相手と三度出会えるようになっている。結局行き着く先はその運命の三人のうちの一人になるってわけなんだが…」
男は間を空けて話を続ける。
男「お前はもうその歳でその三名の相手と出会いそして振られてるって訳。だからもう恋もできないし、一生独り身で死んで行くってわけ」
18:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 18:27:05.37 ID:d3zd/qUs0
男「ちょ、おいおい…泣くなよ…」
男は困ったかをでこちらに近づいてくる。
男「と、とりあえず場所変えよう。この季節の夜はまだ冷えるだろ…」
19:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 18:40:57.64 ID:d3zd/qUs0
女「で、結局君は何者なの?」
男「いや、だから恋のキューピッドだって」
女「……」
20:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 20:43:23.29 ID:d3zd/qUs0
男「んで、赤い糸が一番太くなる時期にこの金色の銃の銃弾を打ち込まれた奴は一生結ばれるってわけだ」
まぁ、俺の話せることはこれくらいかな…
そう言い終わると彼はドリンクコーナーにコーヒーのおかわりに向かったようだった。
21:名無しNIPPER
2016/11/20(日) 20:58:51.69 ID:d3zd/qUs0
ファミレスを後にすると彼は、それじゃあ、またと言って立ち去ろうとする。
女「ねぇ。まだ私あなたの名前聞いてないんだけど…」
男「ん、レンだよ」
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